【ペンギン】
僕はペンギン!僕の翼はね?空ではパタパタしても、海鳥さんとかみたいには飛べないの…。でもね、空じゃ無くて、海の中だったら、すぅっと早く移動できるの!そこで、お魚さんとか取って、仲間のみんなと食べるんだ!みんなで食べると、すっごくおいしいんだ!だから、空は飛べなくても、海の中は飛べる!だから、翼は必要なんだぁ!
【天国の父の声】
僕はあの日のことを忘れない。あれは8歳の時のことだった。
僕は4人家族だった。父、母、姉、僕だった。ある家族旅行の日だった。
「退屈〜!」
僕はそう嘆いて暴れた。
「こら、あと少しなんだから落ち着きなさい!」
母がそう注意しても、僕は聞かなかった。
「あ〜あ〜!」
僕はそう言いながら暴れ、自分でシートベルトを外した。運転してる父の肩を掴み揺さぶり、ハンドル操作を誤らせた。
ガッシャーン!
「え…?」
この事故で両親と姉が亡くなり、僕だけが生き残った。罪悪感から事故が起きてから20年間、俺は怒らない性格になった。周囲は怒らない僕を優しい人間だと思い、利用される事もあったが大切な人を亡くすあの経験に比べれば余裕だった。
だが結婚して子供が産まれて、父として子供を叱るべき場面でも僕はうまく怒れなかった。優しいだけの父として嫁や娘からも舐められていた。
そして娘が8歳になった年のある日。家族で熱海に向かう道中、山道が続いていた事もあり、娘が退屈だと騒ぎ始めた。
「もうすぐ着くから我慢してね」
そう僕は優しく注意しても娘は言う事を聞かず、
「ひーまー!つまんなーい!」
と自分でシートベルトを外して、俺の肩を掴もうとする娘をバックミラー越しに見た瞬間だった。20年前のあの光景と当時の父の声が聞こえた気がして
「やめろ!!」
と気づいたら僕は大声で怒鳴っていた。僕自身も驚いたが、おかげで無事熱海に着く事ができた。それから嫁と娘は僕への態度を改めてくれたが、あの時は天国の父が助けてくれたんだと信じている。
【人生とゲーム】
私はあいつに向かって問いかけた。
「人生ってなんだろう?」
あいつに言ったら
「さぁね。でも、一回きりしかないゲーム的な?あ、でも超理不尽!」
「は?どゆこと?」
「え〜だってさ、まず、セーブ・リトライ不可能。ゴールは無し。生まれた瞬間からカーストが決まる。カーストでこれからの人生が決まる。周りの人からはありえないほど興味を示されない。愛する人を発見するには超倍率が高いガチャを回さなきゃいけない。これを成功するかしないかでもカーストが決まる。ガチャに失敗したら天涯孤独で過ごさなきゃならない。カーストが低い人を発見すると、残虐なイベントが起こる。…みたいな?」
「うわぁ…、なんか理解できたの悔し…。」
「なんでだよ(笑)」
あいつはそう言ってた。でも、
「なん、で…?」
あいつは自殺した。
「自分でさ、『セーブ・リトライ不可能』って言ってたじゃん?リトライできないんだよ?分かってる?お前…。…言っても意味ないし、しょうがないか。」
独り言をぽつぽつと呟く私のそばには人っこ一人いなかった。
「なんで、お前自殺したんだよ…。教えて、教えてくれよ…。いじめ?虐待?…私?」
嫌な妄想が次々と浮かんでくる。
「…お前のところに行った方が早いよね…。今から向かいます!!」
私はそう言って、首を吊った。
【お袋】
さぁっと降った突然の雨。
「勘弁してくれよ…」
そう言いながら俺はコンビニへ走った。“500円です”
そう書いてある傘を手に取った。ついでに腹が減ったので肉まんを頼み、レジへ行き会計。
「こちら、おふくろをお付けいたしますか?」
「は?」
お袋?お袋は2年前に事故で亡くなったはずだが…?
「ど、どうされましたか?」
「いや、お袋はいないですが…」
「え?」
店員はぽかーんとしている。
「え、いない、とは…?付けるかどうかをお聞きしているんですけど…。」
「はぇ?」
どういうことだ?お袋だよな…。
「あ、もしかして、お母さんの事と思っていましたか?」
「あ、はい…。」
「レジ袋の事です、」
「…」
あ〜、やっべ、、めっちゃ恥ずい勘違いした系だよな?あ〜視線が痛ぇ…。そりゃあ肉まん買ったら聞くよな。そうだよな。
「ごめんなさい、勘違いして…」
「いやいや!いいんですよ。はい、642円です、」
「じゃあ…」
「1042円からお預かりします。…400円のお返しです。ありがとうございました〜。ペコッ」
「…ペコッ」
あ、雨止んでる。傘いらなかったじゃん…。
「ま、いっか。」
【いじめられっ子の一筋の光】
雨雲の隙間からキラッと一筋の光が差し込んだ。そして、その隙間にいた人はその日光によって多くが助かった。これを人間関係で表すと、いじめられっ子に逃げ道が現れ、いじめっ子から逃れることができたと言うことだ。そういう意味でも、「一筋の光」は大切だと思う。
【人生どん底】
人生どん底の状態を考えてみてください。家族、お金、食べ物、仕事、衣服、住宅。これらが全て無くなって絶望していました。ある時、いつものように絶望していたらあなたに一筋の光が現れました。
それは__
「犯罪」あなたはやりますか?