主人公がラスボスを倒した物語があるとする
でもそこにはラスボスを倒せなかった物語も存在する
でもそんな物語を選ぶ人はいない
都合が悪すぎるからだ
いつも僕たちはそうやって都合のいい、綺麗事の物語を選んでいく
でもたまには綺麗事ではない物語も選んでみてもいいのではないのだろうか
暗がりの中でうずくまる
誰か僕を見つけてよ
そう、叫べたら
ずっと一人ぼっちなんだよ
そう、嘆けたら
誰かが一つの愛情でもくれたら
僕は変われたのかな
僕は僕の中の深い深い闇の中に飲み込まれていった
ー母さんも父さんもあいつらもみんな堕ちちゃえばいいのにー
あいつは、いつも大した努力もしないけど成績優秀だ
あの子は成績は下から数えたほうが早いけど、努力家だ
今はあいつの方が成績優秀だけど、いつかあの子も花咲いてあいつなんかよりも、もっとすごくなるんじゃない?
過去の自分を殴りたい 説得したい
なんで、なんで、あの時あんなこと言ったんだろう
なんであんなことしたんだろう
遠回しだったけどあいつは僕を親友だと言ってくれたのに、気づかなかくて雑な返事しかしなかった
勇気を振り絞って言ってくれた好きな人を言いふらした
思い出すだけで激しい羞恥と後悔が僕を襲う
タイムマシンがあったなら、一体どれだけの人を傷つけずに済んだのだろう
友人が謝っている
「ごめん!本当にごめん!」
この友人が何をしたのかと言うと、カルピスを飲んだら盛大に吹いて私に若干かかってしまったのである
水ではなくカルピスだ、カルピス
正直、少々気持ち悪かったが、長く付き合っている大好きな親友なので笑っていいよ、いいよと言ってあげた
それでも友人は謝っている
それを聴きながら私はこんなことを考えていた
「謝罪はしすぎると軽くなる」
本で読んだ言葉だ
この言葉を読んだ時納得した
謝りすぎるとかえって軽く聞こえる
友人の誠意は伝わるし、うでをふいてくれてありがたいが、謝罪が義務的な謝りにも聞こえる
せっかく友人がこんなに誠意を表してくれているのにこんなことを考えるなんて最低だな、と思った
また、友人の声が聞こえてきた
「ごめんね」