最近朝、起きづらくなってきた。
寒くなるとみんなそんなもんでしょう?
ああ、起きたくない。
でも起きなくちゃ。
起きたくない。
そんなわたしにおふとぅんは、微笑んでこう言うんだ。
『また、会いましょう。』
おふとぅん〜〜〜!!!
「また会いましょう」
縁石から落ちたらワニに食べられちゃう。
横断歩道の白い線から落ちたらワニに食べられちゃう。
友達にガイドされながら目を瞑って帰る。
友達にガイドされながら後ろ歩きで帰る。
学校の帰り道は危険がいっぱい。
そしてそこら中ワニだらけ。
「スリル」
眠りにつく前に見る鏡の中の自分が哀愁を誘う。
何も考えず横たわり、一日を静かに終える。
朝になり、カーテンの隙間から一筋の光が差す。
今日は薄曇りに柔らかい雨が降っている。
少し前まで一緒に過ごしていたあなたとわたし。
とても長い時間。
あまりにも普通に終わってしまった。
まるですべてが意味がないことだったみたいだと脳裏に浮かぶ。
道路向こうの川べりのススキは柔らかな雨と日差しを受けている。
こんな歳から何をするっていうんだ。
飛べない翼。
いやそんなものそもそもないか。
跡形もなく抜け落ちてる気がする。
後の人生をどう過ごすのか。
もうすぐ枯れ野原となるだけだろうススキ野を、ただ見つめる。
140作突破記念
「飛べない翼」
前回 11/2 130作目。
10作ごとぐらいにしている。
これまでのタイトルを並べて繋げたもの。
内容は続いていない。
インターバル的なもの。
月光に照らされて、ススキ野原は銀色に光る。
ところどころ金色のセイタカアワダチソウが揺れる。
カサカサッ
子狐が出てきて、前足を揃えて白い月を眺める。
後ろの方で、ススキを超える高さで大人の狐がぴょんっ、と跳ぶ。
お母さん狐だ。
カヤネズミでも獲っているのだろう。
どこかでアオサギがグワーッと鳴いた。
「ススキ」
ビビビッッ
ズガーンッ
ズキューンッ
恋する脳内 宇宙戦争。
「脳裏」