いつもひとりで頑張ってきた
誰にも言えなかった
言ってしまえば負担になってしまう
頼ることができなかった
頼れば甘えになってしまう
頑張って
我慢して
頑張って
我慢して
頑張って
我慢して
頑張って
我慢して
頑張って
我慢して
プツンと切れた
何もできなくなった
誰かに助けてもらわないと
生きていけない自分になった
頼って甘えていかないと
生きていけない自分になった
それが辛いこともある
だけど気づいた
私はひとりではないのだと
ずっと誰かがそばにいてくれたのだと
隣には誰かいてくれたのだと
一緒にいてくれてありがとう
そばにいてくれてありがとう
心からの感謝を、君に
ずっと隣で
「もう知らない!」
そう言って彼女が部屋を出て行った。
あー、やってしまったと自己嫌悪。
怒らせるつもりはなかった。
ちょっとしたイタズラのつもりだったんだ。
楽しんでくれるかなと思ったんだけど、
まさかあんなに怒るとは、やってしまった…
そうやってヘコんでいたときだった
コンコンコン
ガチャ
「えへへっ、ごめんね。子どもみたいに怒っちゃって」
そう言って笑いながら彼女が戻ってきた。
俺の好きなお菓子を持って…
可愛すぎんだろ!俺の嫁!!
あぁ、今日も平和だなぁ……
愛と平和
どんなに願っても、あなたはもう帰ってこない。
もう一度あの日に戻れるなら、
あなたにどんな言葉をかけられただろう…
もう一度あの日に戻れるなら、
「行かないで」と素直に言えるだろうか…
もう一度あの日に戻れるなら、
「ごめんね」と顔を見て謝れるだろうか…
もう一度あの日に戻れるなら、
あんな小さなことで怒ったりしない…
もう一度あの日に戻れるなら、
あなたの言った「ごめん」を受け入れる…
もう一度あの日に戻れるなら、
あなたにあんな顔させない…
もう一度あの日に戻れるなら、
「愛してる」と伝えたい…
もう一度あの日に戻れるなら…
だけど、もうあなたは帰ってこない。
どんなに神に願っても、
あなたはもう帰ってこない。
どんなに反省しても、
あなたはもう帰ってこない。
どんなに請い願っても、
あなたはもう帰ってこない。
あなたのいない世界なんてもういらない。
あなたと過ごすこれからはもうない。
あなたと過ごしたこれまでも帰ってこない。
それならもう何もいらない。
いま会いに行くね
過ぎ去った日々
もういいよね、
もう疲れちゃったんだ
疲れているのに疲れていることに目を瞑るのも、
辛いのに辛いと言うのを我慢するのも、
もう全部疲れちゃった
私のことなんてきっと誰も見ていない
『私』という人なんて誰も見ていない
だから、もういいよね、
ずっとずっと思ってたんだ
飛びたい、ここから出たいって、
もういいよね、私はここにいなくていいよね、
いなくなっても誰も困らない
だからもういいよね、
あぁ、消えたい…
気がついたら病院のベッドの上だった。職場で倒れたことは何となく覚えている。だけど今は頭がぼんやりとして何も思い出せない。
毎日何かしらの検査をされる。体の隅々まで調べられる。その様子をどこか遠くから見ているような気分で過ごしていた。
ただただ職場の人に迷惑をかけて申し訳ない気持ちでいっぱいだった。だけど、職場に連絡を取ることも、家族に連絡を取ることもできなかった。何でだろう?
空っぽの1日が過ぎていく。早く戻らなきゃいけないのに、力が入らない。連絡しなきゃいけないのに、スマホを見たくない。何でだろう?
そんなふうに過ごしていたある日、私の主治医となった救急の先生がやってきた。先生は毎日何かしらの言葉をかけにやってくる。この人は一体いつ休んでいるんだろうと思うくらい、毎日やってくる。
だけどこの日はいつもと違った。いつものように話し始めたかと思っていたけど、唐突に言われた。
「体のどこにも悪いところがありませんでした」
そうだろう。私は健康には自信がある。どれだけ働いてもやってこれたんだから。私は強いんだ。だから早く退院して、仕事をしないといけないんだ。
「最近何か辛いことや大変なことはありませんでしたか?」
ん?どういうことだろう?そんな記憶ないけど、先生は何を聞こうとしているんだろう?
『ありません』
そう答えたつもりだった。だけどその言葉はことばになりきれずに涙となって溢れた。
あれ?おかしいな?言葉が聞こえない。何で?私ちゃんと答えたよね?
あれ?なんで?どうして私は泣いてるの?
「頑張らなきゃいけないんです。もっともっと頑張らないといけないんです。こんなところで休んでる場合じゃないんです。皆さんに迷惑をかけているから、早く仕事しないと。もっともっと頑張らないといけないんです。戻って謝らないと、迷惑かけてすみませんって皆さんに謝らないと。」
あれ?私はなにを話しているんだろう?こんなこと言うつもりなんてないのに、いつ退院できるのか聞かなきゃいけないのに。
「コロナでみんな大変で、みんな辛い思いしてるのに、私が辛いって言っちゃダメなんです。みんな困っているのに、そんな中でしんどいなんて言ってはいけないです。だけど、そう思えば思うほど、消えたくなるんです…もう飛んでしまいたいって…」
あれ?おかしいな、私は一体何の話をしているんだろう?
気がつけば私は嗚咽を漏らしながら、先生に全てを話していた。どうやら私は知らないうちに自分の首に太い縄をくくりつけて、思い切り締めていたらしい。
締め上げて息もできなくなっていた。だけど、感情が麻痺して何も感じなくなっていたようだ。倒れるまで気づかなかったのかと思うと情けない。
それにしてもどうして涙が出るんだろう。
それからはあっという間だった。違う病院を紹介され、あれよあれよという間に別の病院に入院し、仕事を休むことになっていた。コロナ禍ということもあり、家族が駆けつけても会うこともできず、相変わらず職場にも家族にも連絡できない自分がいた。
何も感じない。ご飯の味もわからない。部屋から外に出ることもできないため、何もすることがない。気がつけば歩けなくなり、車椅子生活になっていた。何も感じない。ただただ周りの人に迷惑をかけて申し訳ないと思うだけ。
ここでの主治医はこちらの話など聞く気もなく、ただただ睡眠薬が増やされていった。
朝も昼も夜もわからず、ずっと重だるく、眠っている時間が増えた。仕事していたときの、2.3時間の睡眠で稼働していた反動だろうか。
眠っても悪夢で目が覚める。目が覚めたら自分の部屋にいる。それが怖くて立とうとしたら力が入らず、病院であることを思い出す。
この頃には、食事ももうほとんど取れなくなっていた。食べても砂を噛んでいるようで、食べる気が微塵も起きない。気がつけば1ヶ月で10キロも痩せていた。
だけど医者は変わらず睡眠薬を増やすだけ。私は何のためにここにいるんだろう。もはやわからなかった。
ここから出たいと思うようになるのはそう遅くはなかった。主治医に退院したい旨を、紙に書いてなんとか伝えた。するととんとん拍子で話が進み、先生に呼ばれて話をすると翌日にでも退院できると言われた。
嬉しくなった私は、久しぶりに母に電話をして事情を話し喜んだ。
しかし、母の反応は思わしくなかった。突然切られた電話。イヤな予感がした。母からの連絡がないまま少しして、また先生に呼ばれた。
「退院はやっぱりできません。自分で歩けないのに無理です。周りの人も介助が大変だから、歩けるようになったらまた考えましょう。」
ほんの数十分の出来事だった。私は絶望した。
母から着信が残っていたため折り返したところ、退院すると知った母が、急いで父と連絡をとり、病院と話をつけたようだ。私の知らない事情があったらしい。しかし、私は知らないのだ。そんなことわかるわけがない。 天国から地獄に突き落とされ、その地獄であと2ヶ月過ごせと言われた。
ナニカガコワレルオトガシタ
もういい、もういい、なんでもいい、どうでもいい、あはは、わたしなんてもうどうなってもいい、あはは、なんでいきてるんだろう、あはは、もういいや、なんでもいいや、どうでもいいや、あはは、
モウナニモカンジナイ
お金より大事なもの
ほら、そこのあなたも
気をつけてくださいね、
油断していると引っ張られてしまいますよ、
私たちに見えない、ふしぎな力をつかって
彼等は私たちを引き寄せる、
-あちらの世界へ-
皆さんも経験ありませんか?
暗闇の中で煌々と光る丸い月に
目を奪われ、心奪われる
クラっとくるその瞬間、
それがあちらの合図です
満月が人々を誘い惑わせる
あっ!ほら、また一人
満月に魅了され、あちらの世界へ旅立ちました
こちらの世界にいたいなら、
どうぞお気をつけください
特に今日のような月夜には、
ゆめゆめ忘れることなかれ
月夜