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7/1/2024, 3:24:30 PM

テーマ:「窓越しに見えるのは」執筆中

6/28/2024, 1:17:31 PM

テーマ:「夏」執筆中

6/27/2024, 4:43:07 PM

テーマ:「ここではないどこか」

6/26/2024, 12:30:19 PM

 あの日、この場所で、お互いに精一杯腕を空に向かって伸ばし、手の平を一杯に広げ、それらを力一杯、左右に振った。当時の事を、あの子の事を、はっきりと記憶している訳ではない。こうして思い出す度、私の脳裏に浮かぶのは、あの必死の動作の少し前、お互いの母親の少し前を歩く私達が、こうしていれば離れる刻限までが長くなるのではないかと、いつもより握り締めていた手。それが今よりずうっと幼く、重い足取りで別れ道に向かっていく靴は小さく、下を向いていたお互いに気づき、まだまだ話したいと、「もうちょっとだね」なんて、些末な話題しか出てこない事に、はにかんだ。そんなことばかりだ。
 別れ道に着くと、彼方側は早足で去って行ったように思う。母親同士は、特に仲が良い様子では無かったから、会釈をするだけで別れの会話も無く、あの子は手を引かれて行った。寂しくて、名残惜しくて、静かに佇んでいた。幾らか進んで、私も自身の母親に、「帰ろうか」と声を掛けられた時、あの子が立ち止まって此方を向き、冒頭の動作をし合い、短い言葉を交わした。まるで、それまでの日常のように。
 そんな事を思い出しながら、私は小さな手を取った。

「帰ろうか」
「うん。じゃあね!」
「じゃあね!」


テーマ:「君と最後に会った日」

1/16/2024, 5:12:53 AM

世界に色がついて見えるとしたら、どのような色に見えるだろう。どのような色を望むだろう。
視界に映る色が己の人生とイコールで、虹色の、パーフェクトな人生を願うのだとすれば、そんなものはあるはずはないと、夢物語だと思うだろう。

そうやって人生に例えるならば、視界に映っている色が単色でも、きっと視界を広げれば他の色が目に入るかもしれない。
傍から見れば単色に映る人物も、本人にとって目の前の景色は、その人物が抱く夢のように明るく、その色を掴もうと足掻く腕にはまっさらな筆が握られているかもしれない。

そのように考えるならば、きっとこの世界はカラフルだ。遠い星の誰かにとってモノクロに染まったものだとしても。


テーマ:「この世界は」

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