お題『フィルター』
なんでもこなせてクールで完璧な七海サン。それゆえに近寄りがたさを纏わせている。
例えば任務中、仲間が倒れても、非術師が巻き込まれても、冷静沈着に対処をする。
でも感情がないわけじゃない。七海サンは“冷たい”んじゃない。“感情を見せない”だけだ。
まるで、厚く磨かれたガラス越しに見る水槽みたいに、綺麗だけど、触れられない。
そんな七海サンが俺の前ではそのフィルターを外してくれるのが嬉しい。俺だけに見せてくれる素顔。七海サンが誰よりもあたたかいことを俺は知っている。
お題:元気かな
(七海サン、向こうでも元気かなー)
ふとした瞬間に七海サンのことを考える。考えてしまう。向こうでも、って何だよって感じだけど、どこにいたって七海サンには元気で健やかでいて欲しいんだ。
お題:願いが1つ叶うならば
もしも願いが1つ叶うならば、俺は何を願うだろうか?
お題:今年の抱負
「七海サンの今年の抱負は何スか?」
高専内で出会った猪野くんから尋ねられた。
「抱負ですか?」
「そう。俺はね、変わり映えしないけど、七海サンに認められる術師になること! 今年も頑張りますよー!」
そう張り切って宣言する姿が微笑ましい。
「君の強さは認めていますし、信頼もしていますよ?」
「それはそうなんスけど……もっと、こう、非の打ちどころがない術師になりたいんス!」
「そうですか。頑張ってくださいね」
認めているし信頼しているという言葉に嘘はないが、それでも精進するというのなら応援するに決まっている。
「はい! ……で、七海サンの抱負は?」
再び話の矛先が向いてしまった。どうしたものか。
「私の抱負ですか……抱負と言うほど大袈裟ではないのですが、もう少し素直になれたらいいな、とは思っています」
言っていてなんだか恥ずかしくなってきて、後半は声が小さくなっていたと思う。
「そのほうが、君は安心するでしょう?」
「えっ、俺!? 俺のため!?」
猪野くんが目を見開いて聞き返している。
「そうですよ。私のせいで君を不安にさせたくないんです」
「七海サーン! 大好き!!」
ガバリと猪野くんが抱きついてくる。
「こら、ここは高専内ですよ」
猪野くんを引き剥がしつつその場を後にした。
お題:冬は一緒に
冬は君と一緒にいたい。
こんなに寒い冬を一人で越せる気がしない。
一人だったころはどうしていたか、まるで思い出せない。