NoName

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11/8/2024, 4:39:55 AM

何も知らないのねあなた。
と、侮蔑を含んだ目をして見下ろす妻。
そりゃあ仕事しているしな。
と俺
どうやら娘が彼氏を連れてくるらしい。
どんな奴だろうか。いや娘まだ、18だぞ。
年上だろうか。なら止めなければ。
そもそも、どんなやつが好きなのだろうか。
時間が近づくたびに ドキドキハラハラする。

ガチャリと ドアノブがなる。

お父さん お母さん ただいまー。
おじゃまします。

娘と彼がきた。

目を合わせて 第一声

あ、君は。あの時の。

私は知っていたのではないか。

あの時の命の恩人。

3年前の夏の日 俺は道端に伏せ1ミリも動けないでいた。
額からは脂汗 声は出せるが呻くしかできない。

大丈夫ですか。何か飲み物と人を呼んできます。

すみません! そこのメガネをかけた 緑の服の方。
救急車。

その声が最後 意識を失った。

その一瞬だったが 額と手に特徴的な傷があったのだ。

重度の熱中症から目が覚めたときには居なくなっていた。