ことり、

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6/29/2023, 12:15:18 PM

その向こうには何があるのか。
消えかけの虹。
校区境の踏切。
薄暗い鳥居。
そして入道雲。

自転車をがしゃがしゃ漕ぐ。
朝、入道雲はもう空にある。
見下ろされながら時間と戦う。

横断歩道で待ちながら一息ついていると、
青信号を待ちきれない生徒たちが
次々と追い抜いていく。
慌てて真似する。

やっと着いた自転車置き場から飛び出す。
校門をくぐる。
帰宅部の私の自主練のような、
毎朝の儀式。

その向こうに何があるのか。
その旅はいつも途中で終わり。

始業の鐘が雲の峰に響く。

6/28/2023, 12:11:50 PM

夏 夏は夜 
夜、花火。

記憶の中の花火を見ている自分は、
決して独りではない。

友人と、恋人と、家族と。

友人だった人が、恋人となり、家族となる。

それをずっと花火は見ていた。

一瞬で花開き、散る花火は
連綿と続くそれを見ていた。

一瞬と 永遠と

夏はその繰り返し。

6/27/2023, 12:00:53 PM

ここではないどこか。
ココデハナイドコカ。
どこでもないここか?
どこでもあるいまか。

かえりたい
かえりたい
どこかへ
かえりたい

春 北国に帰る渡り鳥
秋 産卵のため川を遡上する鮭

彼らを見るたび強烈に思う

かえりたい
どこへ?

渦の中心
始まりの螺旋

銀河の
排水溝の
その向こう

はじまりのばしょへ
はじまって、おわる ばしょへ。

6/26/2023, 12:27:59 PM

それはいつだろう。君と最後に会った日。
私たちは、いつも一緒だった。

音楽が大好きで、74分ギリギリまで入れたおすすめのCD-Rを焼いては交換し合い、ライブがあると知れば、隣の市まで車を運転して出かけた。物販のライブTシャツを着た帰りの車の中では、大声で歌い合ったね。

お互いに結婚し、私は郷里を離れ、CD-Rもどこかにいき、手元に残ったのはくたびれたライブTシャツと君との思い出。
あのバンドは今年再結成するんだって。

君に、連絡を取ってみようか。最後に会った日に、時間を巻き戻して。

その時の「ドレス」コードは、
あの時のライブTシャツ。

6/25/2023, 5:10:47 PM

「あなたは繊細な花だ。」
そう云われて嬉しい私はいるだろうか。

繊細な、硝子、壊れやすい、フラジャイル、取り扱い注意、臆病、不安、危険、怖い、怖い、怖い…。

握り潰したい。繊細ならば、壊れやすいならば、在ることが不安で怖いならば、いっそこの手でばらばらに粉々に。
決着を、つけてしまいたい。

決着を。今までと、これからの私に決着を。

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