水の器

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1/5/2026, 11:52:44 AM

❀冬晴れ

夜の間にしんしんと降った雪が毛布のように街を包み、朝は白く澄んだ空気で始まった。

寒さに抗えず、彼にぴったり寄り添って眠った夜の温度がまだ肌に残る。

ゆっくり耳元で聞こえた生活音に、眠気を振りほどきながら上体を起こすと

「おはよう。良い天気だよ」

と彼の声。

その声に目が覚め、まだぼんやりした視線の先で彼が嬉しそうに笑う。

寝癖がぴょこんと跳ねて、朝日に照らされた横顔は尻尾を振る大型犬のように無邪気で可愛い。

心は少し凍えていたが、窓の外に広がる空は澄み渡り、冬晴れの光が部屋を満たしている。

雪のしんとした世界と、彼の笑顔の温度が混ざり合って、胸の中にふわりと温かいものが戻ってきた。