Yushiki

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10/18/2023, 4:22:57 AM

 忘れたくても忘れられないと、泣きじゃくる彼女をそっと抱き寄せる。
 彼女に巣くう苦しみの全てを、僕が分かってあげることはできないけれど。
 忘れたくても忘れられないものが、少しでも記憶の隅に薄れればいいと。

 僕は彼女の背中に回した腕にぎゅっと力を込めた。



【忘れたくても忘れられない】

10/16/2023, 11:14:03 PM

 やわらかな光を授かったような、そんなあたたかな気持ちにさせてくれた君と、君の腕に抱かれている小さな命に、僕は精一杯の感謝を捧ぐ。



【やわらかな光】

10/15/2023, 10:26:51 PM

 君を好きになったきっかけは
 その先にある未来を常に見据えて
 どんな逆境にも怯まず立ち向かっていく時に
 ふいに見せる
 その挑むような鋭い眼差しでした



【鋭い眼差し】

10/15/2023, 7:02:02 AM

 高く高く飛べるようになりたい
 そう望んで見上げていた場所へ
 この手が届くようになると
 さらにもっと高い場所へと
 手を伸ばしたくなる

 いつかどこまでも高く
 飛んで行けるようになったら
 今度はきっとこの世界の広さを
 確かめたくなるのだろう



【高く高く】

10/14/2023, 4:34:35 AM

 子供のように無邪気な顔で。
 周囲に笑いかけている彼女が。
 本当は嘘吐きなことを知っている。

 実はすごく頭が良くてけっこう打算的。
 おっとりしてそうな雰囲気を出しながら、しっかり者なうえ、どことなく完璧主義な彼女。

 疲れたと言って仕事の愚痴を吐き出し。
 ストレスから来る頭痛に時々悩まされている。

「ごめんね。こんなに情けなくて」

 月に一度の頻度でナーバスになる彼女は、耐えきれなくなると涙を流しながら僕に謝罪する。

 子供のように泣きじゃくりながら、僕に八つ当たったり、ワガママを言ったり、手のひらを返したように甘えてくるものだから。

「そう? こんなに泣いてる君を見るなんて貴重だから、僕は役得だと思ってるけど」

 お茶らけたようにそう言えば、泣き顔のままポカンと口を丸くした彼女が、次の瞬間、「そんなこと思うのはきっと貴方だけだよ」と、フフフっと口元を綻ばせた。



【子供のように】

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