帰燕[Kien]

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6/21/2024, 2:44:39 PM

作品No.82【2024/06/21 テーマ:好きな色】


昔は
黄色が一番すきでした

すきな花の色が
黄色だったから

今は どうだろう

暗い青もすきだし
濃いピンクもすきだし
黒もすきだし

でも うん

今使ってるスマートフォン
黄色だし

やっぱり黄色が すきなのかもね

6/20/2024, 2:06:23 PM

作品No.81【2024/06/20 テーマ:あなたがいたから】


あなたがいたから
私がいる

そう わかってる
はずなのに

あなたのことを嫌っていく
私がいる

私がこの世に生まれたのも
私にこの名を付けてくれたのも

他ならぬ あなただ

それはもう
わかっているはずなのに

6/19/2024, 2:38:14 PM

作品No.80【2024/06/19 テーマ:相合傘】


 あの日は、ひどい雨だった。
 バスで、家の最寄りバス停に着いてすぐに、折りたたみ傘を拡げた。そんな私の横を、きみが走っていく。ワイシャツに、赤い細リボンに、紺色のスカート——私と同じ制服姿のきみは、傘もささずに道を渡ろうとしていた。
 どうしよう——と、逡巡する。
 きみの家は、私の家の二軒隣だ。そして、私ときみは、小学校からの同期という関係でもある。だからつまり、傘を差しかけるくらいはできる。しかし、私ときみは、そんなに仲がいいというか親しいわけではない。そんな私が、そうしてもいいのかと、躊躇った。
 やらないで後悔するくらいなら、やって後悔した方がいい——そのときの私は、そう決意した。それは、私には珍しいことだった。
 走り寄って、無言できみに傘を差しかける。人一人入るのがやっとな傘は、二人分の雨を防いでなんてくれないとわかっていたけれど、それでもその傘をきみに差しかけた。
 目が合ったきみが、何を言ったのか——今となっては思い出せない。「ありがとう」と、言われたのかもしれないが、思い出せない。
 あれから、十年以上の月日が流れた。
 もうきみは、この世にいないけれど。今でも私は、きみとの数少ない相合傘の記憶を思い出す。

6/18/2024, 2:11:18 PM

作品No.79【2024/06/18 テーマ:落下】


ひたすらに
落ちていく

どこに辿り着くのかも
わからないまま

身動きすら
取れないまま

ただ 落ちていく

自分では
どうしようもないほどに

落ちて
落ちて

這い上がることも
上に飛ぶことも
思いつくこともできぬまま

どこまでも
落ちていく

6/17/2024, 2:03:03 PM

作品No.78【2024/06/17 テーマ:未来】


未来なんてわからない

ほんの少し先のことすら
わからないんだから

だから
未来なんて考えたくない

この先どうしたいかなんて
この先どうなりたいかなんて

難しいこと
ぐちゃぐちゃ
ごちゃごちゃ
考えたくない

その場しのぎで構わない

〝今〟を重ねて 生きていきたい

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