「風邪ひかないようにね」
冷たい風が吹くなかお店の宣伝をしていた私にそう声をかけてくれたおばあちゃん。
手がかじかみ、腕や足がしびれ、声が枯れ、心が折れかけていたときだった。
迷惑だと言わんばかりに睨みつけてくる人もいるなか、その人は応援、心配の言葉をかけてくれた。
この一言だけで今までの疲労が軽くなって、交代までふんばることができたよ。
ありがとう、おばあちゃん。
私の地元は数年に一度だけ雪が降る
だからなのか、ひさしぶりに雪を見れた日は子どものようにはしゃぐ
普段は恥ずかしくてなかなかおもいきり楽しむことができないけれど
雪が降ったその日だけ素直に楽しめるんだ
だから私は雪が私の街に来る日を楽しみに待っている
あの街を明るく照らす光が好き
今年が終わる寂しさを暖かく包み込んでくれるから
3年前の同じ季節
私に、新しい小さな命の家族ができました
人間じゃない、別のいきものです
丸い甲羅にふにふにの手足がついてる子
とてもかわいいカメのこども
はじめは何を見ても興味を示さなくて、布団に登って、ソファから落ちて、小さな隙間に潜り込む、無敵の子だった
一瞬でも目を離すと消えてしまいそうな無鉄砲さにハラハラして目が離せなかった
2年目は何を見てもびっくりしまくる臆病な子になった
何かに反射した自分を見て首をすぼめて、餌を入れる私の手から逃げて、充電器コードが当たりそうになると鼻息をもらしながら後ずさる
野生じゃ生きて行けなさそうな箱入りっぷりが愛おしかった
3年目はすべてに興味をもつ好奇心旺盛な子になった
散歩に出せば行ける限り歩いていき、別の部屋につれていけば目を見開いて辺りを見渡し、見慣れないものがあればズカズカ近づいてにおいをかいでいる
あんなに無関心だったこの子が目に入るものすべてに興味をもっている
こんなに嬉しい成長はないね
3年前に家に来た日から1日も忘れさせてくれないかわいい子
血は繋がっていないけど、種族も違うけど、そんなもの関係ないほどに大切な子
ずっと、ずっと大好きだよ。