コンビニのアイスだけで機嫌を直して、
嬉しそうに今日の出来事を話してくれる。
僕とは不釣り合いな魅力的な人だ。

春爛漫の候、君は一番綺麗になる。
新しい人と出会い、話せることが嬉しいようだ。

今年の春も僕だけのために咲いていてくれるだろうか。

「春爛漫」

もう二度と離さない、奪わせない、逃さないよ。

「もう二度と」

友達だと思っていた人に手を繋がれた。
私を恋愛対象として見ていたんだね。がっかりだよ。もう近付かないでね。

友達だと思われている人の手を取ろうとしてしまった。
私も恋愛対象として見てしまった。がっかりだよ。もう近付かないようにしないと。

でも、貴方がこの気持ち悪い感情を抱えていたら嬉しいな。なんて。


「手を繋いで」

自分探しの旅に出た。
なんとなくの焦燥感を鎮めるための、安直な選択。

初めて飛行機に乗った。
2時間前に空港に着いたのに、乗り込む直前はバタバタしてた。

初めて東北地方に降り立った。
想定より寒くて、衣料服店で防寒着を買い足した。

初めて一人でふらふらと知らない街を歩いた。
解放感と同量の不安があって、頻繁にスマホを確認していた。

場所を変えたって、いつも通りの私しか見つからなかった。旅の前から知っていた自分を再確認しただけなんだ。
それなら次の旅先は一つ。私の過去を暴きに行こう。


「どこ？」

貴方の狂気を私に向けて。
私となら何でもできて。

それ以上にして返すから。

「大好き」