いつからだろう。
世界から色が消えたのは。
何日まえ?それとも何年まえ?
色が消えてから昼と夜の区別もつかなくなりました。
いえ、つくにはつくのですが。
誰も、空を見上げなくなりました。
どこを見ても、白、黒、灰色だけ。
人々の心はすさんでいきました。
僕はどうかって?
全然変わりません。
むしろ、生きやすくなったかも。
世界中のみんなが僕とおんなじ景色が見えるようになったんですから。
知っていました、永遠なんてないって。
だけど、こんなすぐにお別れになるだなんて思ってもいなかった。
どうして、あなたは私を置いていってしまったの?
あなたはきっと、「僕のことを忘れて。」というのでしょうね。
忘れてやるもんですか。
絶対に忘れてなんかやらない。
あなたの最後のお願いを叶えるつもりは毛頭ありません。
私はこれからもあなたと笑って生きていきたかった。
どうして、泣いてるの?
君が泣いていると僕も泣きたくなってくるよ。
ごめんね。
僕はもう君のそばにいてあげられなくなっちゃった。
君の涙をぬぐうことがもうできなくなっちゃった。
でも、大丈夫だよ。君は強いから。
僕なんかがいなくたって君は生きていけるよ。
新しい出会いがきっとある。
だから、僕のことは忘れて。忘れたほうが君のためだ。
これが、僕からの最後のお願い。
どうか、君は笑って生きて。
コーヒーが冷めないうちにあなたに言いたいことがあります。
あなたは聞いてくれるでしょうか。
あなたは私のそばにいつもいてくれました。
だから私はそのお礼がしたい。
私はずっとあなたのことが好きでした。
「どうしよう、どうしよう」
閑静な街に声が響きます。
「変なところにきてしまった。電車を寝過ごして、おりたら、見たこともない場所で。」
今日も、子羊がひとり迷いこんでしまったようです。
かわいそうなので、この世界から出るにあたっての注意点を教えてあげましょう。
絶対に後ろを振り向くな。
振り向いたら、そこには。