赤い糸
わたしとあの人は赤い糸で繋がれている。
なんて恋愛漫画…小説にありきたりだけど。
わたしとあの人は赤い糸で繋がれている。
──────返り血の赤。
死んでしまったあの人。
なんてのは、どうだろうか。
身近なものを少し変えるだけで。
当たり前を当たり前じゃないと思うだけで。
今まで気づかなかったこと、できなかったこと。
できるんじゃないかと、わたしは思う。
──────世の中そう上手くはいかないと、
わたしは知っている。
入道雲
入道雲って雲が上に成長している姿なんだって。
入道雲が来ると、天気がとても悪くなるらしい。
入道雲が来て数十分後、範囲は狭いけれど、激しい雷雨に襲われるとか。
今、怖いなって思った人。思わなかった人も。
どこが怖いのか、具体的に想像してみてよ。
雷雨が怖い?音が怖い?光るのが怖い?停電が怖い?感電が怖い?雷に打たれるのが怖い?電線が怖い?·····
怖いものってたくさんあって。怖くないものもたくさんあって。人生を過ごしていく上で危険を知って。
だって元々は入道雲もなにも知らなかったでしょ?
さっきなにが怖いか考えたもの、良かったら友人にも入道雲の説明して、なにが怖いか聞いてみてよ。
人と人で感想が違って、きっと面白いよ。
夏
夏が来た。夏は好きか。わたしはあまり好きではない。
暑くて、虫がいて…だから、あんまり好きではない。
でも、夏は。
祭りが多くて、休みが多くて。
─────夏も好きかも。
ここではないどこか
嫌だ、嫌だ。
もうここにはいたくない。
辛い、辛い。
誰も居ないところに行きたい。
──────ここではない、どこがに行きたい。
君と最後に会った日
君と最後に会ったのはいつだろう。
思えばもう半年以上過ぎたのかもしれない。
もしくは1年…?
君と最後になにをしたのだろう。
沢山の思い出話か、他愛ない話か。
なにもしていないのかもしれないな。
君と最初に出会った日、僕は
まだまだ沢山会えると、まだまだ沢山話せると。
確信していた、のに。
──君と最後に会った日、君は最期を迎えた。