木弓るん

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2/6/2024, 10:40:08 AM

時計の針

君を抱きしめながら
ちらりと上を見る
壁にかけられた時計は
もうすぐで十一時を示す

時計の針が刻限を指した時
君を帰さなければいけない
帰したくない、離れたくない

でも

君が大事だから
ちゃんと帰してあげないと

君と言葉をかわしながら
時計の針をチェックする
時間に遅れないように
だけどなるべく長く
君といれるように

2/5/2024, 11:19:14 AM

溢れる気持ち

また、失敗しちゃった

君が、寂しそうに笑う

君は誰よりも頑張っていた
君のこと、ずっと見ていたから
僕は知っている

君にとっての僕は
ただ応援してくれる友だち
ちょっとだけ愚痴を言って
それですっきりする相手

それも、僕は知っている

だけど、そんな君を見続けるの
もう耐えられないよ

僕にとっての君は
大好きで、大事で、傷付いて欲しくなくて

思わず君を抱きしめる

君は戸惑っているだろう
ごめんね
でももう、こんな関係は嫌なんだ

2/4/2024, 11:01:08 AM

Kiss

君にしたいことがある
君にしてほしいことがある

突然だったら
驚かせちゃうかな?

でも、そしたらどうすればいいんだろう

なかなか切り出せない思い
なかなか進歩できないふたり

僕たち、付き合っているんだよね?

だったら、してもいいのかな
まだ唇じゃなくてもいいんだ

君にしてあげたい
君に、してほしい

2/3/2024, 1:26:10 PM

1000年先も

穏やかな風が吹く丘から麓を見下ろす
復興が進んだ町は活気づいていて
数年前までの戦の傷痕はうかがえない

ようやく訪れた平和な光景
この先も続いてほしい

歴史は繰り返すという
だからこれは叶わぬ願いなのだろうけれど
1000年先も平和でありますように

2/2/2024, 12:11:15 PM

勿忘草(わすれなぐさ)

転校がきまった私に
君がくれた小さな花

私は何も知らないガキだったから
ただ可愛い花としか思ってなかったけど

いつも本を読んでいる君は
きっとこの花の意味を知ってて
私にくれたんだね

まだ覚えていてくれているかな
私は忘れたことないよ

手に持った文庫本に
すっかり色褪せてしまった
押し花の栞を挟んで
車窓の外を見る

懐かしい町がもう目の前にある

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