静寂の奥の何かに見詰められて、

相変わらずの猫背で、

繰り返すだけの日々から抜け出す術を探している。

どんな話をしてたっけ
どんな顔をしてたっけ

割れたアスファルト
君の影の動き
それだけを覚えている

遠ざかる音が
耳に飛び込んできたのに
振り返れば
まだ
そこにいる気がしてる

予報外れの雨が架けた
なないろの橋

水溜りに落書きしながら
口を尖らせて

「天気予報なんて信じない」と君が言う

紅く染まる掌
月の欠片
雪が降るまで街を埋め尽くす

赤卒の羽ばたき
蟋蟀の唄
夏が残してった熱が冷めてく

窓の中
真っ暗と共に
膝を抱えた人

四角く区切れた向こう側は
相変わらずここに無いものばっかで

そんな景色を眺めて出会った
名付けようのない感情