予報外れの雨が架けた
なないろの橋

水溜りに落書きしながら
口を尖らせて

「天気予報なんて信じない」と君が言う

紅く染まる掌
月の欠片
雪が降るまで街を埋め尽くす

赤卒の羽ばたき
蟋蟀の唄
夏が残してった熱が冷めてく

窓の中
真っ暗と共に
膝を抱えた人

四角く区切れた向こう側は
相変わらずここに無いものばっかで

そんな景色を眺めて出会った
名付けようのない感情

悲しみは君に姿を貰った

だからこうして拾えた

ボイジャーとは違うよ

濡れたその手を確かめて

青い塗装が剥げた、錆だらけのジャングルジム。

灰を浮かべた低い空に近付いて、

見渡した町は思ったよりも小さくて、

それが、あの頃の僕の世界の全てだった。