野菜大魔王

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2/19/2024, 3:20:49 PM

タイトル【嫉妬】
文字数 575文字くらい

 公園に設けられた青いベンチに座って、自販機で購入した缶コーヒーを飲みながら、覚醒した時のように惚けていると、電球頭の男がひとり、公園に入って来た。
 遠目ゆえ、歳はハッキリと知れないが、仕草から察するに若く見える。三十、いや、下手するとそれより若いと思われる。
 公園に誰が入ろうと、気にも留めないのが普通だろう。しかしその男は違った。それというのが、何を思ったのか猿の如く木に登るや否や、狂ったように葉を毟り始めたのである。まるで羅生門の老婆だ。きっと気狂いに違いない。
 眼前で何かが起きれば、気になるのが人のサガというやつで、無論、それは私もそうであった。
 男に近付いて私が下から、
「何をやってんですかい?」
 その声を聞くと、男は振り返ってつとめて和かに、
「いえいえ、ただの憂さ晴らしと言いますか、嫉妬のようなものですよ」
「どういうことで?」
「木はね、寒くなると葉を散らすじゃないですか。それで温かくなると新しい葉が生える。ぼかぁ、どうもそれが許せないのです。人は禿げりゃあ、二度と生えない場合が殆どでしょう。僕は見ての通り、こんな頭ですからね。まだ二十歳だってのに。頭はてらてらと眩しいのに、毛髪はお先真っ暗ですぜ。ですからにくいのです。何度でも葉を生やす、木の野郎が」
 その答えを聞いて、益々この男は気狂いだと、私は思った。

2/18/2024, 1:31:56 PM

精一杯の抵抗 時間は知らない顔 引っ張られる手

明日も多分同じ 繰り返し それなのに期待している

2/17/2024, 11:41:58 AM

自分に似ている他人は好きで、
自分に似てない他人は嫌いだ。

好きなれないから嫌う。

自分が嫌いなものを好いている輩も嫌う。
自分が好きなものを嫌っている輩も嫌う。


中々好きになれないのに、
かくも容易く嫌いになれるのは、
なかなかどうして、人とは不思議なものである。

2/16/2024, 11:18:17 AM

誰よりも一番近くにいて 誰よりも一番遠くにいる
溜め息の色した現在地 それほど好きでもない毎日
いつからなんだろう 上手に笑えないや

小指に残された温もり 呼吸を続ける意味はどこに

もう一度最初から出会いたい
あなたの居る明日を迎えたい
こんなにも怖いと思うのはなぜ
こんなにも寂しいのはどうして

希望 絶望 欠伸が出るほど繰り返す事
せーの、でここから離れよう
それでまた会えたら ゆっくり話をしようよ

2/15/2024, 5:42:40 PM

あなたは私には成れない

私があなたに成れないように

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