大晦日の晩、初めて喧嘩をした。
そして、私達はまた他人の関係に戻った。
あの人は怒りのこもった声で、
「良いお年を」とだけ残して、
私の許を去って行った。
小さくなっていく背中。
別れの側で、初めて見たような気がする背中。
私はその背中を追わなかった。
新年がもうそこまで来ていて、
清算するには丁度良かったから。
さようなら、過去の人よ。
人なんて解剖してみれば大体同じ。
身体の作りや形、心のあり方や動きもそう。
嫌いなアイツも、好きなあの人も、
意外と同じなのかもしれない。
十人十色のようでいて、実はそれ程変わらない。
全て延長線上にあるだけで、
その根本は同じ。
この一年で得たものや失くしたものは、
多分、誰もがいつかは失くすもので、
そしていつか得るもので。
それはきっと、
共通のイニシエーションなんだと思う。
みかんの皮の剥き方、
その数だけ物語がある。
冬休みよ。
ようやく怠惰なる理想の生活リズムに
慣れてきたというのに、
お前は私の許から去ると言うのか。
あゝ、冬休みよ。
待ってくれ、まだ行かないでくれ。
課題が残っているんだ。
夏に踏んだ轍を、愚かにももう一度踏んだようだ。
冬休みよ、おお、冬休みよ………
サンタが手袋をしているのは、
きっと指紋を残さないためだ。
煙突から侵入するのも、
普段から民家の屋根を見ている人は少ないため、
目撃されにくいからだ。
最近は玄関にカメラを設置する家が多く、
玄関から侵入しようとすれば怪しまれる。
しかし煙突ならばどうだ?
煙突にカメラはないと言ってもいい。
怪しまれる事なく侵入出来るのではないか?
サンタは夜に現れる。
その理由は彼の服にあるのだ。
あの赤い服。
赤色はプルキニエ現象によって、
暗い所では黒ずんで見えるという。
つまり、闇夜に紛れるための迷彩服なのだ。
ヒゲや帽子も、多分顔を隠すためのものだろう。
そう考えると、
サンタは身バレ防止が徹底していて凄い!