何処にも書けないこと。
俺には、見たことのない記憶が存在している。
その事を存在と言えるかどうかも、俺にはわからない。
だが、見たことのない記憶が俺の中にある。
「知らない記憶…、?何それw面白そう!w」
都市伝説とか、存在しなさそうなものを好んでいる友達に言ってみた。
俺が言った瞬間パソコンで調べてた。
「何でお前は、それを記憶と言えるんだ?」
痛い所を突かれてしまった。
「いや~さ、…なんというか、俺が生まれてからの記憶と…」
「うん…?」
「最後の記憶があったからなんだ。」
時計の針は無情に進む。
どれぐらい悲しんだって、苦しんだって、時計の針は無情にも進んでいくだけだって。
それが物凄く悲しいことでも、時計の針がまた戻ることなんて無い。
ただそれを僕が望んでいるだけ。
溢れてしまったこの気持ち。
「ホントに○○は泣かないよね〜w」
「凄い。私には出来ないな、w」
尊敬されるような事はしてないはずだけど、多分褒められてもないだろうけど、
褒められると少し嬉しい。
「ふっwありがと。」
泣かない訳でも無いんだけどね。
周りがしょうもない事に泣きすぎなだけでしょ。
「感情もはや無い?w」
「私はすぐに泣いちゃうもんな〜w」
元々泣いたら殺されるような環境で育ったのも、関係してるのかな。
…、まぁ私はわからないや。
「!…泣いて良いんだよ、いや、無理しないで。」
「………」
溢れてしまったこの気持ちを君は拭ってクレタ。
君:いらっしゃい。僕くん。
僕:……、ただいま。
君はいつもここで、僕の事を待っている。
何一つ文句も言わずに、ずっと僕の側に居る君。
君:…、!疲れているようだね。コーヒー飲むかい?
僕の様子をすぐに察することが出来る君。
君:今日は天気が良かったね〜。明日も天気が良かっ
たら良いんだけどね。
僕:…、うん。
軽い世間話を進めてくれる君。
君:僕くん、無理はしたらダメだよ?ちゃんと、休ま
ないと。
僕:休む事なんて出来ないよ。休むとお母さん達に文
句言われるし。
君:…、そっか…。じゃあ毎日ここに来れば良いさ。
僕の心を一番に考えてくれている君。
……、なんて夢を見てたって、仕方が無い。
僕にとって、都合の良い君なんて、
"何処にも居ないんだよ"。
悲しいもクソも無くないか?
「普通に、付き合った理由が断りづらかったからっていうのを思いっきり言われたしな。」
「あ~、私達もアンタが告白した日に言われたよ。それ。」
「マジで何なの!?って思った〜。」
最初の彼氏はただの浮気性野郎で別れて、二人目はこれ。
「まぁ別に今は何とも思ってないからいいんだけど。」
「え!?本当に良いの!?」
元々付き合ってても、付き合ってる感覚なんぞ何処にも無かったしな。
そんな感じのことも言われたし。
「私ばっかり浮かれてたな〜」
「え、そんな事あって悲しくないの…、?」
…悲しいもクソも、私には無いな。
最初っからわかりきってた事なのかもしれなかったし。
いやわかりきってたのか。
「悲しいもクソも無いよ、私には。」
だけどさ、
「………………、何だかここ(胸)が物悲しいな。」
私はそう、誰も居ない部屋で呟いた。