6/7/2023, 11:42:42 AM
【世界の終わりに君と】
── 突然ですが、5分後に世界が終わります。
突然そんなアナウンスが全国に流れた。
隣にいる彼女は至って平静だ。
「…嘘、だよな?」
僕の口からは在り来りな言葉しか出てこなかった。
「終わるんじゃない、多分」
どこか遠くを見つめる彼女がぽつり、と言った。
その言葉に、僕は何故か何も言えなかった。
「私は最期に君が隣にいてくれて嬉しいよ」
「そんなの、僕だって…」
僕の言葉を遮って彼女が僕の唇に自身の唇を重ねた。
「…来世でも、一緒がいいね」
その言葉を最後に、何もかもが塵と化した。