7/17/2024, 12:27:27 PM
掴んだ手があたたかくて、視界が滲んで、記憶がこぼれ落ちて、声が分からなくなって。
なにかひとつだけでも覚えていたい。
そんな夢を見た。
遠い日の記憶をときどき思い出す。
しかたないなぁ、と困り眉で愛おしそうに笑う表情を朧気に覚えている。
誰だったのかとか、どうして泣いていたのかとか。
何度この夢を見たか分からないのに思い出せない。
(遠い日の記憶)
7/17/2024, 12:01:11 PM
薄い雲。
淡い青。
きれい。
綺麗、な、そら。
見上げた。
ずっと下を見ていた。
空を見上げたら、少しだけ、気持ちが楽になる。
そんなおまじない。
あの日からずっと、ずっと縋っている。
(空を見上げて心に浮かんだこと)
7/15/2024, 1:30:24 PM
──私にとっての“美しい世界”はあなただった。
生きていたいと零したのは、あなたが私に笑ったからだ。その笑顔があまりにも綺麗できらきらしていたから。
私は美しくない世界では生きていたくない理想主義者だ。
だから生きたくなかった。
だから死のうとした。
あなたが美しい世界を見せてくれたから生きただけ。
今でもそれは変わらない。
あなたがいなかったら生きていたいだなんて思えない。
これは、本当ならなかったはずの時間。
私の美しい世界は死んでしまった。
だから、もう終わりにしよう。
(終わりにしよう)
6/22/2024, 3:35:48 AM
空いた窓から聞こえた音色。
誰かが奏でている銀灰色の、悲しくて痛くて叫びたいのを呑み込んだような張り詰めた旋律。
それを晴らす太陽みたいな歌声。
そのふたりが紡ぐ木漏れ日みたいな音色。
(好きな色)
6/13/2024, 12:01:50 PM
咲いたまま末枯れていく姿は生に縋っているようで。
美しい淡紫、愛らしい薄紅、鮮やかな赤紫、深い紫紺、軽やかな空色、儚げな月白。
そのどれよりも褪せた揺らぎ色に惹かれて止まない。
(あじさい)