真っ赤に漂う
狂気に満ちた
あなたが愛しい
私が爪をたてて
恐れているのは
切れた唇でも
腫れた頬でもなくて
あなたが平然と
変わってしまうことよ

知らない
愛がどんなものか
まだ分からない
そんな煩わしいもの
あなたの前じゃ
ひとつの価値もなかった
消えそうに
燃え続ける火種を
私は今も
消すことができない

いっさいがっさい
放り込んで
指先までぜんぶ
浸ってしまいたい
無くしてしまいたい
おぼろげな朝を迎えても
あなたはどうしたって
隣にいてくれない
心地いいでしょ
心行くまで
私をどうぞ
掴んでおけば

重ねた思いの数だけ
足取りも重くなるんだろう
きみが何とも言えない顔してる
暑さのせいだ
この異常な
暑さのせいだよなきっと
いやたぶん
ごめんねってきみは言う

どうなってんだろう
行き場もない
手放せもしない
ぜんぶ薄っぺらいのに
やけに重いなぁ
欲しいものは
２度と戻らないのに
要らないものばかり
巡りに巡ってくる
嘘だと言って
ただの夢だと言って
なんだよかったって
笑っている
そんな明日が
来てくれたらいいのに