『怖がり』
いつものベット
いつものココア
いつものスマホ
いつものシャーペン
明日に怖がり
いつもを探す
何がいつもなんだろう
怖がりすぎてわからない
いつものウォークマン
いつものぬいぐるみ
いつもの財布
いつものピアノ
いつものいつも
いつかはいつも
いつもはいつか
私のいつも
『星が溢れる』
星が溢れる
そんな夜
涙も溢れる
夜空見上げて
虚しさと哀しさに
押し潰されていた
流れ星が黒いキャンパスをつたう
涙の雫が赤い頬をつたう
或る世界に無数の輝き
或る世界に虚空の凹み
憂う言葉を受け入れる広い寝室
惑う言葉の反響する狭い密室
今私は何処にいるの
『お気に入り』
ゆめみたいな
あのおかのうえで
はなにまみれながら
ゆらゆらゆら
ひがさして
てんきあめ
にじもみえて
あっというまの
ほしふるよる
それでもいろあせることのない
りんとしたはなばながさく
このばしょが
わたしのおきにいり
ゆらゆらゆら
いつまでも
おどっていられそうだよ
『どうして』
たいせつならいきゃくひとり
とんとんとん
とんとんとん
たのしみにしていたおかしひとつ
もぐもぐもぐ
もぐもぐもぐ
たくさんあそんだぼーどげーむ
ころころころ
ころころころ
そして郷愁に暮れる日々
紅に暮れる昏れた空
他愛もない会話すらままならない
「今何処で何をしていますか」
滴る涙に悲哀の念
『夢を見てたい』
幾つもの雫を纏い
永遠に憧れた
彼方煌めく空へ
星の飛ぶ速さで
風を切り空高く舞う
幼い頃誰もが夢見る
あの星の夢へ馳せて
際限ないまで広がる世界の中心で
一生の夢を捧げ祈った後に
唯唯一の星の夢に成り代わる
幾万幾億の夢の旋律を撒いて
恒久の想いを漂わせる
ただ今は無数に輝く星々に
永遠に憧れてしまっていた
ある種夢は幻となる
星を旅する王子様や
銀河を駆けるあの子達
それらが愛しく妬ましく想えた
未だ私の夢が堕ちてパチパチ弾けていく
いつしか涙も紛れ込み
暗闇の中でまた思う
「夢を見てたい」と