005
『遠い足音』
君はいつも僕より先に行ってしまう。
なんでだろう。
僕だって、みんなと同じことをしてるのに。
なんで、君は、 みんなは、
僕よりも先に行ってしまうの?
僕だって、追いつけるように頑張ってるのに。
彼らの足音はずっと遠いままで、
追いつけないまま。
みんなが当然にできることが、
僕にはできなくって、追いつけない。
いつ、追いつけるかな、そもそも追いつけるのかな。
004
『涙の理由』
君は泣いた。
なんで、どうして
と言いながら、ひたすら涙を零していた。
なんで、なんて僕の方が言いたい。
何故泣いてるの、嬉しいことでしょ?
僕と2人だけの空間なのに、なんで?
暗くて窓ひとつなく、最低限の家具が置いてある部屋。
ベッドの柱に繋がってる手や足の鎖。
それを見て、何故か泣いている君。
僕には理解できない。
嬉しいでしょ?
なんで怖い、なんて言うの?
僕たちは相思相愛、なのに。
監禁したくらいで泣かないでよ。
本当は嬉しいくせに、なんで泣いてるの。
003
『コーヒーが冷めないうちに』
作ったコーヒーに普段入れるはずの砂糖を入れずに
口へ運ぶ。
苦いものが嫌いな自分は
苦くて不快な味が舌を刺激して、顔を歪ませる。
いつもこんな苦いものを飲んでいたのか、。
あいつが美味しそうに飲んでたから挑戦してみようと
思ったが、やはりダメみたい。
飲むことを辞めようとものすごく思う。
けど飲む。
『苦くて熱いままの飲むのがいいんだよコーヒーは』
君と同じ感覚に陥りたいから。
熱いまま、冷めないうちに飲み干したい。
002
『パラレルワールド』
※季節軸ずれ
ふとカレンダーを見てみる。
もう夏休みが終わってしまうらしい。
長期休暇というのは、学生からしたらものすごく
ありがたいもので、過ごす分には楽しい。
ただ、楽しいことをするにあたって、
時間は刻々と過ぎ去っていくわけなんだ。
ただ、今年は受験生、ということもあったんだが、
自分は遊ぶ事ばかりで全く勉強していない。
もっとちゃんとやっとけばよかったなー、。
このまま8月が終わらなければいいのに。
そんなことを考えてる内に、8月31日が終わりそう。
明日は学校に行かなければならないので、
もう眠ることにしよう。
布団に潜って目を閉じると、すぐに深い眠りに誘われた。
射し込んできた太陽の光のせいで目が覚め、
時間を確認するべく、スマホを手に取った。
スマホの画面が付いた時。
真っ先に視界に入ったのは何故か日付の表記。
僕は目を見開いた。
だって、 本来 9月1日であるはずの表記が
8月32日 となっていたから。
001
『僕と一緒に』
君と一緒にいるのは楽しい。
喋ることも、食事をすることも、1日を過ごすことも
君がいるから楽しい。
誰よりも君が好きで、愛している。
僕も君に愛されてる。
沢山愛された、助けられた。
嬉しかったよすごく。
けどね。
僕は君のその優しさに今よりも堕ちてしまった。
君を壊したい、僕だけのものにしたい、
君の全てを僕にしたい
どす黒い感情が心を包んでしまって、気が可笑しくなる
君がいないと生きていけない
そう言ってるみたいに。
だから、僕だけのものになって。
僕と君。
2人だけの世界で生きよう。
僕と一緒に " 生涯を生きませんか "
" 2人だけで愛し合いませんか "
そう言う君は、涙を零して、綺麗な顔をぐちゃぐちゃにしていた。
俺は、"君がいないと死んじゃう。愛して"
と言ってるように思った。
まあ、こんなになるまでたっぷり愛して、一緒にいてあげたのは俺なんだけどね。笑