奥深くに沈めた記憶と傷
鍵をかけて開かないように

言わないのは守るため
名誉も心も 相手も全て
黒く染まった想いを手放せたのは
私たちの心ごと守ろうとしてくれた
貴女がいたから

もう怯える必要も
傷つけるための言葉を言う必要もない
消えることはないけれど
癒えた傷はここにある

だから
もう誰にも言わないの

#誰にも言えない秘密

月に住むうさぎ
小さな頃のおとぎ話

本当にいるかもしれない
いたらいいな
そんな願いをかけて
見上げた月に指を指す

今度は私が伝えるために

#月に願いを

泣くのが嫌だった
弱いのが嫌だった
泣かないことが強さだと思っていた

味方なんて誰もいないと
信じられる人なんていないと
心に蓋をして 自分を守っていた

なのにずっと 一緒にいてくれる唯一を求めていた

今なら君を抱き締められる
大丈夫
弱さを受け入れて 誰かを守る強さを持てた
大丈夫
誰もいないと思い込んでいたこと
色んな人に守られていたこと
気付けたよ
大丈夫
どんな君も君だからと
共に歩むことを決めてくれた人がいる

今なら君を抱き締められるよ
ひとりぼっちだと泣いていた あの頃の君を

#あの頃の私へ

泥だらけになるまで遊んだ 小さな頃
終わりを告げる鐘の音が寂しかった

もっとずっと一緒にいたくて
楽しい時間が続いて欲しくて
泣いてしまいそうな時もあったよね

繋いだ手をぎゅっと握って 俯かせた顔
それでも
君の明るい言葉と笑顔が僕を満たしてくれた

これはきっと魔法の言葉
笑顔になれる希望の言葉

#また明日

静寂と暗闇に包まれた街
月明かりだけが輝く空

時折響く 車の走る音が
時間の経過を教えてくれる
静かな部屋の中で一人

ここにあるのは安らぎだろうか
それとも不安だろうか

真夜中の魔物に心脅かされずに
いつか眠れたら

#真夜中