1年前って、あたしに何あったっけ?
どしたの、なに急に。
いや、なんか出来事あったかなーって、
んー、特段何といったことは無いんだけど……
あ、あんたが転校してきた年じゃん、何忘れてんの、
あー、そうだね、うちが転校してきた年か。そうだったような気がするよ。
何それテキトー、てか一人称変わりすぎだし笑
あんたは一人称私だったっしょ?イメチェン?笑
あはは、ごめんごめん。
ざっぱな性格だからさ、私、
あんたってさ、そんな笑い方だったっけ?
題_5_1年前
好きな本とかある?
んー本はあんまり読まないかも。
でもあの本は読んだよ。
あの本?
赤い表紙で、分厚いやつ……
ずっと図書館に置いてあったから気になってたんだよね。
へー私見たことないかも。
え?3年間も一緒に通った学校なのに?
あれ?言われてみればそうだね、
どうしてだろ、
本の内容、気になる?
うん。
黒魔術。
成功した?
うん、
だってあんたが今ここにいるもんね。
題_4_好きな本
人は死んだら、星になるらしい。
ー.*˚✩.*,ー
そんなことを言っていたのは、私の親友だったあの子。
小学生になってからは、クラスも違ったせいか、疎遠になってた。
高校も離れてからは、全然連絡も取れなかった……
というか、交換すら、してなかったんだよね。
なにせほら、あの子人気だったから……
ー.*˚✩.*,ー
そんなことを言っていたのは、大好きなおばあちゃん。
小学生になる前に、星に、なっちゃったんだ。
高校生になってからも、時々思い出しちゃう。
「ふぅーん……おばあちゃん、見守ってくれてるといいねぇ……」
「うん!」
「……あ、そういえばさ、同中のあいつ、覚えてる?」
「……?あいつって?」
「あいつだよ、いっつもあんた見て、時々写真撮ったりして……」
「……あー、?誰だっけ、」
「……あんた、よく忘れられるね……」
「んで、そいつさ……」
星になったんだって。
題_3_あいまいな空
ぴんくのおはな、すてきだな、きれいだな、あ!でんでん虫さんだ!
あら?貴方も、お花好きなの?私も、大好きなの。
良かったら、庭の中に入ってきてもいいのよ。
ほんとに!?やったぁ!
うふふ、
喜んで貰えて嬉しいわ。
こっちはみずいろのおはなだ!
素敵でしょう?貴方もきっと素敵なお花になれるわ。
題_2_紫陽花
「好き……」
花弁を1枚ちぎる。
「嫌い……」
花弁を1枚ちぎる。
「好き、、」
花弁を1枚ちぎる。
「嫌い、、」
花弁を1枚ちぎる。
「好き、」
花弁を1枚ちぎる。
「嫌い、」
花弁を1枚千切る。
「好き!」
花弁を1枚ちぎる。
「嫌い…………」
「…………………………………………」
青紫の花だったそれを、ぽとりと落とす。
大丈夫。
まだある。
また、新しい花を掴む。
「好きになったら、きっと、きっと……」
「帰ってきてくれるんだ。」
題_1_好き嫌い