山門を抜けると
無数の風鈴に
暑い日差しが照りつけ
石畳に色とりどりのガラスが反射する
見惚れながら通り過ぎると
急にザッと風が吹いて
一斉にカラカラと鳴き始めた

どうしてこうも
世界は美しいのだろう

「風鈴の音」

手を伸ばしたら
届きそうな気がする
大きな満月に

届いたら
叶いそうな気がする
ちっぽけだけど大切な私の夢に

「届いて…」

あの日の
こぼれ落ちそうな満点の星空

あの日の
突き抜けてゆく青空

あの日の
包み込まれるような夕焼け

どの日も
君の笑顔が一緒にあって
僕の心を締め付ける

今日も
景色の中で輝きたつあなたに会いたい

「あの日の景色」

神社に行って
いつも世界平和を願う

その想いは
嘘じゃない
嘘じゃないけど

本当は
君が僕のものになりますようにと
願いたい

叶うことのない
神様にも言えない
僕の願い

「願い事」

昔、恋をした人は
空に関わる仕事をしていた

彼は少年のように目を輝かせ
いつも空の話をしてくれた
なぜ色が変わるのか
なぜ飛行機が飛べるのか
私はその度に感嘆していたけど
実は半分も理解できなかった

でも、そこから空を好きになった
あの人も今、同じ空を見てるかな


「空恋」