誰も知らない
知られていない場所まで
私を連れていって

そこで
家を探そう
いちから始めよう
これまでの私はもういない

そんな想いを馳せて
現在(いま)を必死で生きる


「遠くへ行きたい」

きたきた
まさか、これが陣痛というやつか？
昨日下剤飲んだからかもしれないから
ちょっと我慢してみよう
一応病院に連絡したら
すぐに来てと言われた
いやいや初産なのに予定日より早いとか
覚悟がまだできてない
やばい、痛い〜
どうなっちゃうんだ私！

とりあえず病院行こう

「まだ見ぬ世界へ！」

人生を終える時

もしも
あなたが隣にいるのなら
伝えさせてください

どうか
次も僕の前に現れて

「最後の声」

抱っこをせがんで
両手を伸ばす幼い君が
まるで昨日のことのよう

「小さな愛」

ふと立ち止まって見上げると

突き抜ける水色に差し込む一筋の陽
弾けるオレンジに金星の眩い粒
飲み込まれそうな漆黒に反射する夜のネオン

空はこんなにも
刹那に美しい


「空はこんなにも」