抱っこをせがんで
両手を伸ばす幼い君が
まるで昨日のことのよう

「小さな愛」

ふと立ち止まって見上げると

突き抜ける水色に差し込む一筋の陽
弾けるオレンジに金星の眩い粒
飲み込まれそうな漆黒に反射する夜のネオン

空はこんなにも
刹那に美しい


「空はこんなにも」

子どもの頃は夢がたくさんあって
何にでもなれると思っていた

医者にも、花屋にも、女優にも
どれにもなれなかったけど

がっかりはしてない

今の私の人生だから
あなた達に逢えたんです

「子供の頃の夢」

どこにも行かないで
いつもあなたに言うセリフ
どこにも行かないよ
いつもあなたが答えるセリフ

不確かな未来を確認して
ささやかな安堵を手に入れる


「どこにも行かないで」

気がつけばいつも背中を目で追ってる

明るくて、優しくて、
聡明な君の周りには
いつも誰かがいて
私が入る隙なんてないから
視界に入れ〜
って小学生みたいに
おまじないをかけてみるけど
やっぱり効果はない

よし、
明日は少し勇気を出して
声をかけてみよう

と、鼓舞するのが
毎晩の日課になっている


「君の背中を追って」