今日にさよなら
昨日は終わり、今日になる
そして今日も終わる
昨日の栄光を惜しまず明日の自分に託す
諦めが肝心、さよなら今日の私
枯葉
父の部屋を片付けた
でてくるでてくる、枯葉の山
紅葉や銀杏、ついでに乾燥しきった銀杏の実
やたらと広い箱に入れてあったので小さな箱に詰め替えてやった
退院してきた父は満足そうだ
やれやれ
お気に入り
気に入ったものはずっと使う。
一度ケチがついたら使わなくなる。
私の特性は時に不便だ。
色鉛筆はピンキリ、発色に悩む私がひとたび発色鮮やかな高級色鉛筆を使えば芯の固い色鉛筆は使わなくなってしまう。
文法書もピンキリ、でも一番使いやすいのは例え解釈の一部誤りがあったとしても解説が分かりやすいもの。正しいだけで面白みの欠片もないものは最初に確認するだけで使わなくなってしまう。
厳選したお気に入りだけを集めて悦に至る私はさぞ滑稽だろう。
結局大事にするのは愛着が湧いたものだけ。
早く使わないものは手放したい。
誰よりも
強く、優秀で、気高く、清らかで
求められるものの多さに疲れた私は
誰よりも貪欲に怠惰を求めた
休みの途中に休み、午睡業務しかせず
それでも私の成績は優秀で
周りの要求はより厳しくなった
誰よりもできない人になりたかった
10年後の私から届いた手紙
自分の墓前に捧げる手紙に、意味はある?
私へ
まだ生きていますか?
生きているなら、終活をなさい。
生き恥も死に恥も、
見られる可能性のあるもの全てを片付けなさい。
生きているのが恥ずかしいと思うのならなおさら
早めに元を絶ちなさい。
早めに早めに、何事も早めに。
私より
バレンタイン
義理チョコを渡して仕事を要求するのが最近のバレンタインの意義だ。
私は仕事をしに職場にいっている。
仕事がないのに拘束されるのは暇すぎる。
せめて仕事がもらえたら。
愛より仕事がほしい。