優しさ
「某鎮痛剤の半分は優しさでできている」
その半分の実態は胃薬だという。
「あなたの為を思って優しさで言っている」
その実態は話者本人の私情である
優しさとは主観的な概念である。
胃を保護しながら痛みを抑えるのが優しさだというのも製薬会社側の主観的な広告文である。
しかしこれまでの鎮痛剤は胃に負担を掛けるものだったことを考えるとまだ妥当な主張である。
胃薬と鎮痛剤の二つを服用するよりは、ひとつ二役の錠剤というのもまた優しさだろうとある種の類推ができなくはない。
でも、あなたの優しさは違う。
あなたによる、あなただけに配慮した優しさと言う名の苛烈なブーイングは、人をサンドバッグにしたいがだけの一方的な行為だ。
主張を押し付けて、殴りつけて、受け入れるまで蹴りをやめずに人を軟禁することのどこに優しさがあるのだろうか?
あなたのためという欺瞞を優しさとは認めない。
ミッドナイト
夜明けを恐れた
夜中だけはひとときの静寂
朝がこなければいいのに
ゆっくりゆっくりと時は進む
私を裏切り微笑む月を
憎しみ、睨む
自尊心を守るための攻撃心
いつか壊れないために
安心と不安
話を聞いてくれる人がほしくて、でも時間やその人の忍耐力には限りがあって。
なるべく短く済ませようとしては、あれを聞いておけばよかったとか不安でもやもやした日々を過ごしている。
私はどうするべきだったのか、いつでも意見が聞きたい。
話せるその瞬間は安心しても、結果的に不安は増大していることに気づいたのはつい最近のことだ。
早く安心したい。
逆光
光が強いほど、闇もまた深くなる。
あなたの光は眩しすぎた。
私はまた影に隠れる。
闇が深くなるほど、光は強くなるのだろうか?
主観的にはそう見えるが、光度は強くなってはいない。
私がただ闇に沈んだだけなのだ。
目映さに目が眩む。
変わったのは私なのだ。
私だけが酷く暗く寒い場所に移動しただけ。
ああ、まぶしすぎる。
めがもうあけられない。
さようなら、あなたは……
こんな夢を見た
足が温かい夢
足が寒くて寝つけなくて、夜中3時くらいまでうだうだ布団にくるまっていたとき、気づけば足が温かかった
足が寒かったこと、温かさを認識していることで私はこれが明晰夢だと気づいた
寝ついたことで身体の温度が下がり、末端まで身体が温もったのだなとぼんやり考えながら、頭がぼーっと火照りを持っているのを感じた
エアコン切ったっけ?
湯たんぽはちゃんと布団から出したっけ?
ぼんやりぼんやり働かない頭で寝返りを打つ
熱があるのかもしれない
熱があるのなら、仕事に行かなくてもいいのかもしれない
もう少しぼんやりして休んでおこうと布団を手繰り寄せる
ほぼ目が覚めかけているようで、でも目はまったく開かない状態で、それでもこれは夢なのだと、熱がある夢なのだと信じてゆっくりと休んだのだ
ちなみに体温計には35.6℃と表示された