飛べない翼
飛べない。いくらもがいても体が浮かない。
飛べない。人間には翼がない。
飛べない。夢があったとしても羽ばたけない。
夢の翼は心の中に、物理の翼は心の外に。
飛べない。飛べない。飛べやしない。
ススキ
ふわふわと揺れるススキを見たい
かさかさという擦れる音も好きだけど
猫じゃらしのようなものが大量に揺れるなら
どんなに幸せな心地なのだろうか
ススキ
ススキ
ススキが見たい
脳裏
脳裏をよぎる、不安やもやもや
全部全部、吹き飛ばしたい
脳裏に溜まる、漠然とした願望を言語化して
いっぱい叶えたい
脳裏に貯めた、ぼんやりとしたやりたいこと
たくさんリスト化して、やっていきたい
脳に集めるだけでは叶わないことを
現実にするために
毎日言葉を知っていきたい
意味がないこと
下の方から掃除すること。意味がない。
いくら掃除しても上の埃を払わなければすぐ下に積もる。
掃除は上から。最後に下の掃除をすればよい。
こぼれた液体を掬うこと。意味がない。
いくら頑張っても、すべての液体をどうにかすることはできない。
何回かに分けて布に染み込ませた方がよい。
母を叱ること。意味がない。
理解する気がない人にいくら時間を使っても体力と時間の無駄。
手紙の添削、パソコンの使い方、青色申告の計算。次から次へと質問してくる癖にメモのひとつも取らない。メガネも持ってこない。
人の時間を貰っているという自覚がない人に教えることも意味がない。
メモとメガネを持ってこなければ教えないと条件を付けても今度は何をメモするべきか理解していない。
覚えなくていいこととの区別がついていないのだ。
私が講師の免状を持っていないことを知っているはずなのに、娘に聞けば最良の知識が見つかると思っている。
母が使っているアプリケーションのすべてを私なら説明書なしで使いこなせると思っている。
私も説明書がなければ使えない。
有料で教えることを検討するのも意味がないのだろうか。
あなたとわたし
あなたは先を行く。
わたしは後ろを着いていった。
あなたは振り返らない。
わたしは足を早める。
あなたは前を向いている。
わたしはあなただけを見ている。
あなたはやがて走り出した。
わたしは追い付けない。
あなたはあなた、わたしはあなたではない。
わたしはわたし、あなたはわたしではない。