放課後
放課後は部活の時間だった。
部活は好きじゃなかった。
演奏は好きだけど、自由に模索する時間が取れない拘束時間は苦痛だった。
ひとりで練習したあの時間、居残り練習の時間だけが私の青春だった。
人と一緒にやるのは向いていなかった。
みんなでハーモニーを作るのが大事だったのに。
カーテン
そよそよと風になびくカーテンを見る時期がすぎ、いよいよ寒くなってきた。
部屋の戸をを閉めて、カーテンを締め切ると暖かさを閉じ込めることができる。
またそよぐカーテンを見る日まで、しばし温かくすごそう。
涙の理由
訳もなく流れる涙に、理由を求めてはいけない。
泣けば解決すると思っているんだろう? などと聞かれても、勝手にあふれてくるだけなのである。
私はいつも「気にしないでください」と水滴の流れるままに話を続ける。
大抵は驚くか抵抗がありそうに口調が弱々しくなるが、本当に気にしないでほしい。
私が涙を今流したいと念じた訳ではない。
女優になれるほど涙液のコントロールができるのなら、今頃は大女優だろう。
ただの一般人に涙腺の扱いに長けていることを求めるのはやめてほしい。
理由などない。ただの身体反応なのだから。
ココロオドル
見たことがある文字だと思って検索したら、どうもアニメの主題歌らしい。
ニコニコ動画で耳コピ動画を拾って聴いてみた。
リズミカルで力強い、けど軽快な心踊る曲という印象だ。
人気が出すぎて音MADが多数投稿されるも、著作権侵害の問題から次々に削除されたと記事にあった。
ココロオドル。
どこか切なさと勢いをはらんだ秋の香りの音楽。
流される前に、有意義に過ごしたいと思う。
束の間の休息
今日は部屋を片付けていた。
いや、今月もだ。先月から始めた。
師走になってから慌ただしく片付けることと、少しずつよく考えて必要なものを選ぶことは天秤にかけるべきではないと考えた。
つまり十一月までは仕分け、整理、収納。
十二月には普段掃除しない場所に手をつけるという計画だ。
でもさすがに疲れた。
ゆとりを持たせたスケジュールではあるけれど、蔵書数、小物や雑貨類が多すぎた。
特にメガネとメガネケースと歴代のスマートフォン。両手に抱えきれない。
処分方法を検索しなければならないと考えると頭が痛い。
そんなときにくらいは休んでもいいだろう。
白湯を飲みながら果物をつまむ。
時期的に柿などいいかもしれない。
キッチンで包丁を持つと、今日は頑張ったなという実感が湧いてくる。
束の間の、日曜日最後の休息。