『終わらせないで』
わたしの願望
わたしの希望
わたしの切望
わたしの熱望
わたしの渇望
わたしの夢
わたしの理想
わたしの情熱
わたしの熱意
わたしの熱願
わたしの勇気
わたしの祈り
わたしの未来
わたしの現在を
終わらせないで
勝手に諦めないで
目を逸らさないで
不貞腐れないで
比べて落ち込まないで
焦って破壊しないで
終わらせないで
わたしの人生を
わたしの脚本を
もう一度
描いてみせて
何度だって
描き始められるから
もう一度描こうって
思い直すたびに
私らしくなるから
心の奥の奥をじっと見つめて
心の声に耳を澄まして
もうひとりのわたしが
そう叫んでいる
『落ちていく』
『どうすればいいの?』
『たくさんの想い出』
たくさんの想い出かぁ
学生や子どもの時は毎日が、想い出みたいに
濃ゆかったけど、
社会に出てからは、どんどんどんどん
濃度が薄まってきたような気がする
人生の長さという分母がどんどん
大きくなっていくのに
想い出になるような記憶の分子は
なかなか増えていかないままで
記憶の分子は
年を重ねてゆく過程で
細胞分裂の速度を落としていったみたい
それは
感受性の鈍化によるものだろうか
子どもの頃や学生時代に比べて
人との出会いややりとりは
少なくなったり薄くなったり
さらに、
感受性も鈍くなってきたようにも思う
だけど、、、
今、この瞬間の感覚は
今この瞬間を生きる 私だけが感じ取れるものだ
過去にも 未来にも
代えられないのが 今という感覚のはず
そうして 今この瞬間を生きる 私の細胞たちは
マラソンの襷のように 繋がれて
未来の私の細胞へと 地続きになる
今、覚えてなくても
思い出せなくても
記憶が砂のように流されていても
たしかに生きてきた
わたしの生命
わたしの細胞たちは
たくさんの想い出を抱えているのだろう
今、この瞬間の感覚を
もう一度 大事にしたい
生命を燃やすような感覚で
生きてみたい
本当の“生きる” を味わいたい 刻みたい