……カレンダーに付けられたバツ印
10月31日
本当は彼とデートするはずだった日
けど、その日の前日
10月30日に届いた一件のLINE
で、一気にどん底に落とされた
ごめん、好きな子出来たから別れて
欲しい。
楽しい1日から最悪の1日になって
彼を忘れる為に仕事に打ち込んだ。
仕事して、寝て、起きて、仕事して
とにもかくがむしゃらに仕事に打ち込む
ようになって
とうとう、私の身体は限界を迎えた
仕事の最中に、倒れ
そのまま病院に運ばれ入院することになった
それでも、職場の人は怒ることもなく
優しく、ゆっくり休んでと言ってくれた
そして、今日私は長い入院生活を終えて
退院した。
……まずは、美容院に行こう
伸びた髪を切るために美容院へと向かう
青空の下で/夜凪
まるで、木からリンゴが
落ちるように
気付けば、貴方の事ばかり
考えている。
今日も貴方に可愛いねって言われたくて
早起きして髪をセットして
メイクして
馬鹿だよね。向こうは私の事なんて
なんとも思ってないのにね
落ちていく/夜凪
辛い時も
悲しい時も 晴れの日も
雨の日も
ふたり一緒なら大丈夫
これからも末永くよろしく
と 彼女が笑う
長い長い道のりを時間をかけて
ふたりで歩いていこう
夫婦/夜凪
子供の頃に集めていた
貝殻
色とりどりのビー玉
どれも、私にとっては大切で
かけがえのない宝物
お菓子の缶に大事にしまっていまでも
保管してる
そっと、蓋を閉じて元の場所へと
戻す
宝物/夜凪
ある日 不思議な夢を見た
真っ白な空間に黒いフードを
被った人物が
いた
貴方は誰?と私は尋ねる
わたしは死神だ
と、それは言う
1本のロウソクを私にみせ、
ごらん、このロウソクはお前の
寿命だよ
……嘘。
私はロウソクをみて目を見開く
死神が私に見せたロウソクは半分以上
楼が溶けて短くなっていた
もう少し伸ばせないか?
また寿命を伸ばすにはどうすれば
いい?
と、死神に縋り付く
ふいに婚約者の顔が浮かぶ
来月に私はひとつ年上の彼と結婚を控えている
のに
ゆらゆらとロウソクが揺れる
ガタンッ
揉み合った拍子にロウソクが死神の手から離れ
ロウソクが倒れ、ロウソクの火が消える
キャンドル/夜凪