青い風。
風に色なんてあるのだろうか、って考えた時に青い風っていうのは匂いなんじゃないかと思った。
青い匂いといえば草木の匂いだと思う。
青臭いとも言うけれど、それは青草の匂い、もしくは未熟な事を指すらしい。
青草の匂いってそのまんまじゃんね。
遠くへ行きたい。
遠く、遠く。
昔私はアメリカのニューヨーク、クイーンズのアストリアに住んでいた。
小学校1年生、入学式で桜の前で写真を取って1週間後、私はアメリカの小学校の校長先生と向き合っていた。
近くにあるパブリックスクールに、英語もままならないまま通っていた。
自分の名前、苗字と名前が呼ばれる順番が逆で、尚且つマイキーなんて呼ばれるものだから(私の名前はミキ、Mikiでマイキーと読まれた)学校の初日に自分の名前も分からないのかと叱られて泣きじゃくったものだ。
その先生は未だに苦手意識がある。ただ、私の他にも英語を話せない子はチョットだけいて、その子には親近感を持っていた。小学生ながら自分よりできない子を見て安心していたのもある。我ながら酷いな、とは思うが、そうしないと心を保って生きていけなかったのだ。
私は父親の転勤でアメリカに住むことになったのだが、私の下の弟妹達は母と手を繋ぎ毎日公園で同じく現地に住む日本人の子供と遊ぶ生活の中、私は泣きじゃくりながら英語の書き取りをしていた。ちなみに日本語を忘れないように週末は日本語学校に通っていた。これが本当に嫌だった。
毎日現地校から出る大量の宿題(英語なので家で教えてくれる人がいない)週末は2日間日本の小学校の勉強をして、書道はたのしかったが、次の土曜日に提出する大量の宿題が出された。今考えると勉強嫌いは全部ここから来ている。
しかし1年もすれば親友もできて、大好きな恩師である先生もできて、英語も子供ながらに拙くも話せるようになり、学校では成績優秀者として毎月表彰されるようになった。(学校にStudent of the Month という所謂首席?を決める仕組みがあった。章を貰えると板チョコ1枚とStudent of the Monthと書かれた鉛筆と、翌日学校のカフェテリアで朝食が振る舞われた)
しかし母の都合で私は卒業式前に日本に帰ることになった。父は卒業式が終わったら父さんが送り届けるから、と言ったが母がこの子もいないと帰らない、と言った。
5年生の最後、みんなと卒業式が終わったらチャッキーチーズに集まってピザパーティーをしようと私が計画していた。結局私は母に手を引かれて遠い遠い日本に帰ってきた。
幼稚園も保育園も母の意向で通ったことはなかった、友達もいない、ほんの1週間だけ通ったことのある日本の小学校、
小学五年生の三学期、広い体育館で、中古のランドセルを背負って私は思った。
母から遠くに行きたい。
クリスタル。
私の趣味の中に石集めがある。
アメジストや水晶など多岐に渡るが、
一番のお気に入りはアメリカで体験したジオード割り体験で得たクリスタル。
陽の当たるところに置いておくとキラキラ輝いて美しい。
夏の匂い。
夏の匂いと言えば煙の匂い。
バーベキューも花火も、蚊取り線香も、どれも煙の匂い。
ああ、でも焼き芋をしてる秋もいいなと思う。
夏は暑いから、早く秋になってくれないかな。焼きリンゴ食べたいかも。
カーテンといえば、開く瞬間が好きだ。
遮光カーテンを朝、そっと開いた時の、目を刺すような光。
レースカーテンを開いた瞬間見える青空。
ブラインドはカーテンに入るのかな。
カーテンは遮る布、もしくは話を遮ることを指すから、布でないブラインドはカーテンじゃないのかもしれない。