『終わらない夏』
つるを這わせる朝顔
庭に出したままの椅子とテーブル
砂がついたサンダル
ハンガーにかけたままの浴衣
やり残した手持ち花火
パンパンに膨らんだ水ヨーヨー
野菜室にある大量のナスとピーマン
空っぽの麦茶
作り途中のスマホケース
机の上の山積みの課題
夏よ 終わるな
『遠くの空へ』
見晴らしのよい高台
どこまでも広がる大地
どこまでも続く空
彼女がいる
その場所に立つと
わたしの悩みなど
ちっぽけなもの
弱音ばかりはく自分を
恥ずかしく思う
この場所は彼女がのぞんだ場所だと
ご主人さんから聞いた
それを伝えなければならなかった
彼女のことを想うと
胸が痛い
どんなに遠く離れている場所でも
見上げる空はみんな同じ
いつも彼女に守られている
『!マークじゃ足りない感情』
十月十日
待っていた
その時が
きた
お腹の上に
ハイッ⤴︎
トン→
コロン⤵︎
なんかのった⤴︎
ん⤴︎
へぇー⤴︎
おーーーー⤴︎
えーーーーーーー⤴︎⤴︎
重っ⤴︎
きみなの⤴︎
そっか⤴︎
そうなんだね⤵︎
はじめまして→
よろしくね⤴︎
やっと会えたねーー!♡☆🎶♡☆🎶⤴︎⤴︎
『君が見た景色』
君がいる場所からは
どんな景色が見えてるんだろう
ロジンバッグをにぎる
帽子をかぶりなおす
振り返ると
絶対的信頼できる仲間の姿
スタンドをうめつくす応援団
投球準備にはいる
目の前にいるのは一番の理解者
どんなボールでもとってくれる
ただミットだけを見つめ投じる
打者を打ち取るために
みんなが目指すゴールへと
狙ったところに 一球一球 丁寧に
あと少し
もう少しがんばれば
投じた球は
スタンドに運ばれた
静まりかえるスタンド
張り詰めた糸が切れた
それでも君は投げ続ける
一球 また一球
投げても 投げても…
マウンドに駆け寄る
絶対的に信頼できる仲間たち
君がいる場所からは
どんな景色が見えてるんだろう
君は最後のバッターボックスに立つ
バットが2回空を切った
息をはいて空を見上げる
バットをにぎりなおす
ストラーイク!バッターアウト!!
わたしはスタンドをかけおりた
君と同じ景色を見るために
『言葉にならないもの』
果てしなく広がる雲海