私は、あなたの楽しそうに頑張る姿に憧れた。
だから、叶えたい夢を持つことができた。
16年越しに観たあなたは、夢を諦めきれず、けれど、前に進めないもどかしさと。前に進み続ける仲間を応援し、街のために、ひたむきに動く緑の心。
そんな貴方を観て、
夢を追うのが少しだけ怖くなった私だ。
貴方が楽しそうに頑張る姿が、私の栄養になっていて、もう観ることのできないその姿を、何時までも求める私がいて、
きっと叶わないと解りたくないのだろうなぁ。
〜創作メモ〜
亡くなった祖母が遺したスマホ。中には、二三のアカウントと音声動画、ファイル名「御手本」にまとめられた40の映像があった。
私は、
火曜日の朝、私は電車に乗って学校に来た。
席に座って本を読む。
先生が教室に入るまでの時間が私にとって一番の楽しみである。
須川市の林さんという方の荷物が二週に一度送られてくる。
私も須川に暮らし始めた林だが、まだまだ日は浅く、引っ越しを知っているのは両親と親戚だけである。
もし送ったのなら連絡があるはずで、私宛の仕送りではないと分かる。
さくらは廊下に積んであるダンボール箱から一番上のものを手に取って二階の和室に運び込んでから、荷物を広げた。
学生の頃に使用していた授業ノートやテスト直しノートを捨てられずに持ってきたが為に、荷物が多くなってしまった。
「勉強なんかしない方が絶対に人生うまくいく…」
中学までは勉強なんかしなくてもいいと思っていた。高校受験直前に、勉強をしないと人生が終わると考え始め、高校を卒業してやっと、自分には何も残っていないことに気が付いた。
慌てて就職先と一人暮らしの住処を決めて実家を出たが、
この街には、ろくろ事件と云われる都市伝説が存在する。
此処に二人の男女が佇んでいた。
「ねえ、本当に入るの?」
「せっかく来たんだから。勿体ないだろ」
「嫌な予感がする」
「大丈夫!絶対に手離さないから」