7/16/2024, 8:41:55 AM
◎終わりにしよう
「終わりにしよう」
そう言ってケイゴは両の手を前に突き出した。
「あぁ……俺も、そう思ってた」
正面に構えたコウタも指先に意識を集中する。
2人の間に冷たい風が吹き抜けた。
「行くぞ!」
「来い!コウタァッ!!」
「「うおぉぉぉぉぉぉ!!!」」
コウタの指先が風を切り、ケイゴの鼻先を掠める。
「…………」
沈黙の後、コウタが膝をつく。そしてケイゴは天へ拳を突き上げ、勢いよく振り下ろした。
「コウタ……お前、なんでまた……っ!」
「俺だって、やりたくてこんな状況にしてるんじゃない……!」
「何度目だよ……これじゃあ、終わらねぇじゃんか!」
「「ババ抜き!!!」」
ループにはまった2人を見てアイスキャンディーを咥えたユウキは腹を抱えた。
「お前ら仲いいなぁ(笑)」
「「その(笑)ってのやめろ!」」
「ファーーーッw死ぬ、笑い死ぬwww」
それは暑い夏の日の、
クーラーの効いた部屋での一幕。