ほっぺたをばら色に塗る以外にできることなんて何もない
きらきら星さえもう歌いたくない
地球はまるいなんて誰が信じるだろう
何も知らないのはあなたもわたしもまるで同じ
わたしはもう騙されない
あなたの心臓に刺を食い込ませてやる
沈む夕日とどちらが綺麗かしらね
一番星チカリ、空の隅っこで輝いて
1つだけ
そうただ1つだけ
あなたに見てほしいものがある
それはわたしの古い傷
たまに痛む深い傷
1つだけ
そうただ1つだけ
あなたに聞いてほしい歌がある
それは小さな花の歌
風を彩る長い歌
1つだけ
そうただ1つだけ
あなたに壊してほしいものがある
それはわたしの小さな心臓
どうにもできない赤い果実
いったいおれのどこを羨ましがってんだ
今さらおれには何もねえ
何もない、は言い過ぎか?
でも大事なものは昔捨てた
おれはお前が羨ましいよ
大事なものを大事にできて
大きな過ちもなく
おれはお前に頭を下げて
いつか許してもらわなきゃならねえ
お前から奪ったものを
ひとつずつ返してゆくわけだが
おい、だから何を求めてんだ
おれなんて虚しいだけだろうが
あの頃の世界への憧憬か
あれはもうない
いやそもそも最初からない
幻覚を追いかけるな
手に入るわけがねえ
お前が羨ましいよ
ただただ羨ましいよ
ただ、ただひたすら
ちょっと昔の世の中なんてさ
あちこち臭いし乱暴だし
そのくせ朗らかさばかりが正義だったりしてさ
綠なもんじゃなかったよね
でも悪いばかりでもなかったよね
少なくとも、あの頃の私達は
未来へ向かって進んでいた
可愛い子供達の為に
愛をもって戦っていた
今はどうだい
昔よりかは清潔だし正しい世の中だけれど
その分狭苦しくもなったよね
みんな目先のことで精一杯で
未来も他人も知らんふり
こっちも綠なもんじゃないねえ
今一度
戦わなきゃならないね
可愛い可愛いあんた達の為に
花を持とうか
花を持って
神サマを引き摺り下ろそうか
引き摺り下ろしたらそいつを
愛で殴っちまおうか
月あかりのおかげで
お空も足もともよく見える
月あかりのおかげで
ポンと高く跳んで行けそう
月でジャンプしてるみたい
月のうさぎはどれだけ跳べるの
地面をポンと蹴って
ひと跳び6メートルくらいかしら
うさぎにとっては小さなひと跳びだが
コンビニ袋に隠されたアイスは我々を見張っている
ねえねえねえ、
つまむように触れた指先を
きちんと握り返してくれる
その体温だけで
月より高く跳んでいけそう