2/25/2023, 6:03:17 PM
物憂げな空
湿った雲のすき間からは
大した光も得られなそうだ
重たい踵を蹴ってゆくのか
退屈を手土産に
何もできないわけではないが
何もできる気がしないのだ
あなたは知っていたのだろうか
午後三時
小鳥だろうがそよ風だろうが
わたしの脳を訪ねてこないでくれ
励みになるとでも思ったのか
そんな気だるい音調で
何も持っていないわけではないが
何も与えられる気がしないのだ
あなたはきっと知らないだろう
2/19/2023, 6:16:50 AM
むわりとした草のにおいを
みるみる溶けてゆくアイスキャンデーの味を
きみの肘につたったしずくと
そこに映ったまるく歪んだ赤い自転車を
ただ、ただ恋しいと思う
2/8/2023, 6:00:16 PM
ワン!ワンワン!
小さなお手てで犬をつくる
犬というか狐だけれど
まあそれはいい
なぜ犬を吠えさせているの
犬の視線をたどってみる
そこには笑顔のお兄さん
の、右の手の拳
そこから立てられた親指と小指
あ、なるほどね
あれに応えたのね
マハロのポーズ
犬か何かに見えたのね
2/7/2023, 4:07:52 PM
王女の話を要約するとさ
さるの召し使いと
まんとひひの伯爵が
のうさぎとにらめっこしてさ
耳がどうも変なんだよ
はためく耳がさ
ロケットに乗って飛んでったと思ったらそこから
バゲットの中に飛びこんでさ
のうさぎもそれを追っかけてさ、さて
耳はどこへ行ったかな
2/7/2023, 9:20:52 AM
小さな小さな無数の歯車
静かで精巧な輝き
それらが噛み合い
時を刻む
無駄のないミクロな世界
その外で時計の針は
出会い重なり別れまた出会い
君の小さな胸を支える