『やさしくしないで』


｢大丈夫？｣
……別に…

｢どうかした？｣
……こないで…

｢具合悪い？｣
……なんでもない…

｢何かあった？｣
……ほっといて…

｢チカラになれない？｣
…いい加減にして！！

｢……！｣
これ以上……構わないで…

もう傷つけたくないの……

……だから…………


｢………だとしても…｣

……―――、

…お願い……これ以上は
…………やさしくしないで…
　　　――――――本気にしちゃうから


｢……じゃあ、そばにいるね｣

　…………―――――――――！


〜シロツメ ナナシ〜

『隠された手紙』


犬や猫は言葉は無い
…まぁ極々一部に例外はいるけど…
基本喋ったり出来ない
症状が出てから
初めて病院に行って
わかることの方が多い

今回は先生に言われた
｢トイレを見てみると、
　分かるかもしれませんよ｣
その日から僕は
この子のトイレの様子や
オシッコとかの状態を
なるべく見るようにしてみた

普段の量、
今日は少ない、
今日は硬そうな便
今日は匂いが…と、
…そっか
トイレって
この子達からの
とっても大切なお手紙なんだね

――今日も僕は
この子のお手紙を取りに行く

ん、教えてくれて　ありがとね


〜シロツメ ナナシ〜

『バイバイ』


バイバイって言える人
私にどれぐらいいるかな？

言える人もそうだし
私に言ってくれるひとも
どれぐらい居るのかな？

すごく身近で
実はすごく特別な言葉

言おうと思えば言えるけど
言いたい相手がいるかどうか
言ってくれるかどうかはまた
全然違ってくるからね

だから私は
あなたに言いたい

バイバイ
　　　　　　――――――またね！


〜シロツメ ナナシ〜

『旅の途中』


私はまだ
あらゆる事が
まだ途中であることに
すごく大人になってから
初めて気がついた

自分の成長
人生の歩み
自身の学習
何をとってもまだ途中だった
完璧だとは思ってないけど
理想の自分でさえ
まだまだ遠かったことに

時々足が止まる
このみちでいいのかな？
この選択でいいのかな？
この方向でいいのかな？
選ぶものが増えていく
求められるものが増え
進むほど不安になってくのを
私はいつからかずっと感じてた

そう、
私はまだまだ途中
どんなに時間を重ねても
どれだけ未知を選んでも
私はまだまだなのが辛かった…
…でも、私はまだ生きてる
不安は増えるけれど
まだできることが残ってる

万が一、死後の世界があるならば
ある意味ではさらに次の人生が
もしかしたらあるかもしれないから
その世界に行っても
自分が大丈夫でいられるように

私は私の弱さや不安と仲良くなって
私の強さの一部となって
私はまだまだ進んでく

そっか
私は今も、旅の途中なんだって
受け入れた――――

あなたも、一緒に来る？

　　　　　　　　　行こっか！


〜シロツメ ナナシ〜

『まだ知らない君』


私に出会うにしても
私の作品を見つけるにしても
この世界の、いや
この国の人達だけでも
一体何人の人が
見つけてくれるだろうか
その中でも何人の人が
私のことを少しでも
見つけてくれるだろうか？
私の作品を少しでも
好いてくれるだろうか？
人が怖かったり
出会いが怖かったり
感じてしまうようになった
せっかく生まれたこの世界で
怯えて終わるなんて
やっぱりいやだし もったいない
好きが分からず終わるなんて
寂しすぎるし 悲しすぎる

例えこれが
本当にやりたいことと違っても
ただの興味から始まったとしても
やってみたいことの一つには
決して変わりないから
これは私の心の奥に眠る
真のやりたいにたどり着くための
大切なひとつの道だと信じてる

これからの出会いは
人だけに限らず
色んな形で 様々な人と
作品や音楽、本も街も光景も
　　そしてなにより
新しい自分との出会いが
まだまだあると信じてる

さぁ、あなたも

今日もどこかで聞こえてくる

｢初めまして｣の その声を―――


〜シロツメ ナナシ〜