『クリスマスの過ごし方』
ソッ…ソ〜〜〜ッ……
子「…ンー」(モゾモゾ)
父(!?)
子「…ン…お父さん…?」
父「…(やば)」
子「早く寝ないと…サンタさん…
…来てくれない…よ…?(ZZzz…)」
父「…(ホッ すぐ寝てくれた…)」
父は すかさず
包みをふたつ枕元に置いて部屋を出た
ーーーーー翌朝ーーーーー
(ドタドタドタドタ!!)
バタン!
子「お父さんみて!!」
父「ど、どうした!?」
子「サンタさん来たー!!
欲しかったボードゲームー!!」
父「お… ぉお〜!良かったじゃんか〜」
子「ね!ね!!すぐ遊ぼ!!」
父「ようし!けどまずご飯食べなさい」
子「はーい!!!」(ドタドタ!!)
もうひとつ足音(ドタドタドタドタ!)
母「あなた!!」
父「は、はいはい!?!?」
母「来たわ!サンタさん!
今年も来てくれたー嬉し〜〜!!」
父「ぇ、あ、そ、そうなの!?」
母「この時計欲しかったんだー♪
いつでも買えるっちゃ買えるんだけど…
なんか買えずじまいだったんだよね〜♪」
父「そぅ…そりゃよかったじゃん」
母「あら、あなたは無いの?」
父「あぁ…まぁなくは無かったよ?
ほら、ちょっとした筆記用具だったけどね」
母「あら、意外に実用的ね?」
子「お母さん!お母さん!
サンタさん来た!?
プレゼントあった!?」
母「ええ!来たわ!もう嬉しいー!!
あなたも来たのね!?」
子「うん!!お母さん!
お母さんも一緒に遊ぼ!!」
母「そうね!一緒に遊びましょ!」
父「だから、ご飯食べてからにしなさいって」
子・母「「はーい」」
お気づきだろうか?
俺の妻は、どうやら…
サンタクロースを信じてるっぽい
でもまぁ…仮に嘘でも
この喜びは本当みたいだから
これだけ喜んで貰えるなら別にいいか
父「…ぁ、そうだ。今朝は
雪降ってたみたいだから
(後で外に)」
子・母「「うおーー!見に行こー!!」」
父「後で外に、って!?
コラコラコラコラコラ!!
そのまま行くな!
あと ご飯が先!!」
今年はいい意味での 波乱の予感
〜シロツメ ナナシ〜
『イブの夜』
年に一度の大忙し
たまにはみんなで手分けして
聖なる夜を盛り上げよう!
私が料理を作るから
俺がケーキを作るから
アタシが玩具を造るから
僕と君がそれを全部包むから
俺と私がそれを全部運ぶから
今夜はみんなが大忙し
たくさんの夢を
たくさんの人が叶えてく
ねぇねぇ?
実はみーんな サンタクロース?
もしかして、
いつか私も、なれるかな?
サンタクロースに、なれるかな?
〜シロツメ ナナシ〜
『プレゼント』
私は沢山迷ってた
プレゼントをしやすくなった
こんな時代だからこそ
あげたい人のあれこれを
頭をフル回転させ思い出す
身近な人の好みとか
遠くの人の気持ちとか
私はどれだけ好みを知ってるか
私がどれだけの人に囲まれてるか
半分なんだか テストみたい
半分なんだか 誇らしい
きっとその数だけ
私は人に助けられてて
きっとその数だけ
私は人を思ってる
プレゼントをまとめて送ったら
その瞬間だけ
私がたくさんに増えた気分
全ての私が
一人ひとりに届けられますように
〜シロツメ ナナシ〜
「ゆずの香り」
シャカシャカシャカシャカ
シャカシャカシャカシャカ
台所
すりおろす音
鼻に届く
香りのお届け物
出来上がった
食卓に並ぶ強き味方
ゆず胡椒
まるで主役と言わんばかりに
豆腐の上のど真ん中
まるで陰に潜むように
受け皿や汁物の引き立て役
見た目は地味だが侮るなかれ
そいつを口に運べば
舌でそいつは踊り出す
口から胃から脳にまで
香りと刺激を速達する
〜シロツメ ナナシ〜
大空を見上げた
空の青さを知った
大空を見上げた
自分の小ささを知った
大空を見上げた
雲の形がまた変わってた
大空を見上げた
遠くにいるあの人が気になる
大空を見上げた
青が赤に変わってた
大空を見上げた
星と月が 静かに寄り添ってくれた
大空を見上げた
太陽が 私の背中を押してくれた
大空を見上げた
風が私の心の傷を労わってくれた
もう一度、
もう一度だけ、進める気がした