『プレゼント』
私は沢山迷ってた
プレゼントをしやすくなった
こんな時代だからこそ
あげたい人のあれこれを
頭をフル回転させ思い出す
身近な人の好みとか
遠くの人の気持ちとか
私はどれだけ好みを知ってるか
私がどれだけの人に囲まれてるか
半分なんだか テストみたい
半分なんだか 誇らしい
きっとその数だけ
私は人に助けられてて
きっとその数だけ
私は人を思ってる
プレゼントをまとめて送ったら
その瞬間だけ
私がたくさんに増えた気分
全ての私が
一人ひとりに届けられますように
〜シロツメ ナナシ〜
5
「ゆずの香り」
シャカシャカシャカシャカ
シャカシャカシャカシャカ
台所
すりおろす音
鼻に届く
香りのお届け物
出来上がった
食卓に並ぶ強き味方
ゆず胡椒
まるで主役と言わんばかりに
豆腐の上のど真ん中
まるで陰に潜むように
受け皿や汁物の引き立て役
見た目は地味だが侮るなかれ
そいつを口に運べば
舌でそいつは踊り出す
口から胃から脳にまで
香りと刺激を速達する
〜シロツメ ナナシ〜
4
大空を見上げた
空の青さを知った
大空を見上げた
自分の小ささを知った
大空を見上げた
雲の形がまた変わってた
大空を見上げた
遠くにいるあの人が気になる
大空を見上げた
青が赤に変わってた
大空を見上げた
星と月が 静かに寄り添ってくれた
大空を見上げた
太陽が 私の背中を押してくれた
大空を見上げた
風が私の心の傷を労わってくれた
もう一度、
もう一度だけ、進める気がした
~シロツメナナシ~
3
それは繋ぐ音
この世界に70億ある命の中から
特別なふたつの組み合わせ
白い恋人達が
誕生した
つづけ、つづけ、
どこまでも
死がふたりを分かつまで
響け、響け、
時の流れに
ベルの音を乗せながら
二人を運べ
幸せのかなたまで
その鐘につられて
新たな魂が
つられてやってくることを願って
つづけ、ひびけ、
いつまでも、どこまでも
~シロツメ ナナシ~
2
寂しさを紛らわす為に
私は思いっきり歌う
ひたすら走り続ける
冷たい水を飲む
暖かいシャワーを浴びる
美味しいご飯を食べる
ふかふかの布団で眠る
私は孤独の寂しさに
絶対に負けない
~シロツメ ナナシ~
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