「ネモフィラを見に行こう。」と誘ったのが2人の初めてのデートだった。それから桜の時期に付き合い始め、藤、紫陽花と様々な花を君とみてきた。次はどんな植物を見に行くか約束が増えるたびに幸せを感じていた。
そんなに好きなら自分で育ててみたら?と聞く彼に花は美しいけれどいつか枯れてしまうから育てると悲しくなると言ったような気がする。
それを覚えていてくれたのだろうか、「枯れない花が咲いたよ。」といつにも増して真剣な面持ちで渡してきたその花は眩いばかりの輝きを放つ、純白のカメリア。あれから何年が経っても私の薬指で美しく咲き誇っている。
#花咲いて
この世に生を受けて早二十数年。様々な後悔があり、もしあの時こうしていればと思う毎日である。
だがしかし、出来事を本当に書き換えていいのだろうか。
私は入学試験と相性が悪く、悉く失敗続きだったが、そこで一生の友を得ることができた。
告白できずに終わったあの時、自分の不甲斐なさに涙を流したが、このことがきっかけで話すようになった人と結ばれることになった。
その時はどうしてと悔やむこともある。しかし結果的に1番いい方向へと導かれているように感じるのだ。
何かを得るということは何かを失うということ。もしタイムマシンがあったなら、今の生活よりもいい生活が待っているのかもしれない。
しかし、私は自分の運命を曲げず、いい未来を信じ続けたいと思うのだ。
もしもタイムマシンがあったなら
あの人の思考回路全てが欲しい。一分の隙もないほど私のことで頭を満たして欲しい。私がいないと生きていけないよう思考を作り変え、全てのものを捨てさせてからこっぴどく振りたい。みっともなく縋りながら泣いて赦しを乞う顔をみて遂に私のモノになったのだと悦に浸りたい。
狂おしいほどに大好きなあの人の全てが欲しい。
お題「今一番欲しいもの」