どうせチビだから……。
どうせ不細工だから……。
どうせ不器用だから……。
どうせ誰も興味なんて持ってくれないから……。
どう在りたいか、それが問題だ。
/「終わりにしよう」
文系科目は得意だけど、理系科目が苦手なあなた。
理系科目が得意で、文系科目が苦手な私。
まるでパズルのピースがぴったりはまるように。
誰よりも優しいのに、優しすぎるせいで行動できないあなた。
何も感じないのに、他人が求める行動はできる私。
あなたが認めてくれるから、私にも心があるんだと錯覚できるんだ。
/「手を取り合って」
井の中の蛙飛び込む大海に
揉まれて浮かぶことはなかった
/「優越感、劣等感」
鈍感なふりをしていた。傷ついていると思われるのがいやだったから。
賢いふりをしていた。馬鹿にされるのが嫌だったから。
優しいふりをしていた。嫌われたくなかったから。
勇敢なふりをしていた。臆病だと思われたくなかったから。
これからは。
/「これまでずっと」
人と話すのが苦手だ。
自分の発言はこの場にふさわしいのか、相手の機嫌を損ねてはいないか、どうしても気になってしまう。自分は臆病者なのだ。
3人以上のときはいい。にこにこ笑って眺めていればそれで済む。
他の人がキャッチボールしているのを横で眺めているだけでいい。
そこに自分が参加しようとは思わない。参加できるとは思えない。
「クラスの決め事のときに便利だから」と義理で招待されたグループライン。そこでも発言したことはない。参加者のアイコンにただ並んでいるだけの存在。本当は抜けてしまいたいけれど、抜けたことが知られるのも心地悪い。結局そのままにしてある。
今日も「クラスの親交を深めよう!」と放課後にカラオケに行くそうだ。既読だけ付け、そっとアプリを閉じる。
新たなメッセージを知らせる振動。集合時間が決まったのだろうかとついさっき閉じたアイコンをタップする。目に入ってきたのはグループではなく個別メッセージ。
「今日、新刊発売日なんですけど、放課後本屋に付き合ってもらえませんか」
スタンプを一つだけ返した。放課後が楽しみだ。
/「1件のLINE」