テーマ:何でもないフリ #391
何でもないフリをしていたけど、
心のなかでは苦しかった。
本当は他の人の才能に嫉妬した。
自分が惨めに見えた。
それを自覚して
自分に失望した。
でもそれが人間らしさであることを知った。
私が私であるために必要な感情であることを知った。
隠さなくていい。
自分を責めなくていい。
自分が自分であるために嫉妬だって大切な感情だ。
テーマ:仲間 #390
「誰も仲間外れにしないように
グループを作ってください。」
そう言われて一人になるタイプの人間です。
でも最近は違う。
色んな人に名前を読んでもらえる。
でもね、
それはそれで仲間って何?ってなることがある。
誰かの悪口言って
「あなたもそうでしょ?」
って言われたら
「うん。」
って答えなかったらそれは仲間じゃないんだって。
それって仲間なの?
悪口言ったら
「それは違うんじゃない?」
って止めてあげるのが仲間じゃないの?
指摘して
「やめなよ」
って言ってあげるのが仲間じゃないの?
私には仲間がわからない。
テーマ:手を繋いで #389
手を繋いで帰りましょう
あなたがはぐれないように
あなたが迷子にならないように
手を繋いで帰りましょう
あなたが連れて行かれぬように
私があなたを守るから
テーマ:ありがとう、ごめんね #388
ありがとう、ごめんね。
あなたが産まれてくれて嬉しい。
あなたが産まれることをずっと待っていたの。
ママ達のもとに産まれてくれて
本当にありがとう。
でも、ごめんね。
ママはあなたの成長を見ることはできないの。
パパにたくさん愛してもらってね。
ママはお空でずっとあなたを見守っているから。
パパもあなたもずっと見ているからね。
テーマ:部屋の片隅で #387
部屋の片隅で佇む少年が見えるようになったのは
ここに引っ越して間もなくのことだった。
またかよ……。
俺はそう思いながらも見ないふりをした。
「あまりそういうものに干渉しないほうがいい。
あんたも連れて行かれるよ」
母がよく口にしていた言葉だ。
たしかにそうかも知れないと思い、
20になるまで守り続けてきた、母の言いつけ。
やっと一人暮らしができると思ったのに。
俺はそう思いながら大きいため息を付いた。
それからというもの何事もなく日常が続いた。
少年は部屋の片隅に未だにいるが気にしなくなった。
そんなある日だった。
俺は仕事に疲れフラフラしていた。
気がついたら病院にいた。
信号が赤なのにも関わらず渡ろうとしたらしい。
ただ俺は無傷だった。
それからいつものように家に帰ると
少年がいなくなっていた。
部屋の片隅で少年が座っていた場所には
切れたミサンガがあった。