狼星

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9/6/2023, 12:50:04 PM

テーマ:時を告げる #297

死の時を告げる時計があったら見たい?
私は見たかった。
まだまだやりたいことはあるし、
たくさんの未練だってある。
だからこんなに早く死を迎えるなんて、
思ってもみなかったんだ。
この死が予知できるものがあるなら、
時計じゃなくても欲しかった。
なにかの前兆とか……。

でも人が死ぬのは運命で決められているんだって。
だから回避できたとしてもいつかは死ぬ。
だから不死身の人はいないんだって。
私は不死身とまでは言わないけど、
やっぱり死ぬのには若すぎる。
これも運命だというのなら、
いっぱいやりたいことやって、
親とか友達とか先生とか、
私に関わってくれていた人たちにもっと
ありがとうって言っておけばよかったな。

あ、時間みたい。
私もそろそろ成仏しなきゃ。

9/5/2023, 1:21:22 PM

テーマ:貝殻 #296

海へ行ったのは11年ぶりのことだった。
貝殻を取りにそのときは行った。
こうして11年ぶりの海を見ると
記憶というのはやはり霞んでしまうんだなぁと思った。
しかし貝殻を拾うのが楽しかったのは、
明確に覚えている。
ふとしたを見るが、
同じ海岸で貝殻を拾っていたとは思えない。
貝殻の貝の字も見えなくなっていた。
丸い石ばかり。
海の波近くを歩いても砂ばかりだった。
私も年を取り変わった。
しかし、海も変わってしまった。
また年を取れば変わってしまうのだろうか。
きっと、そうだろう。
それが時の流れというものだ。

9/4/2023, 11:58:29 AM

テーマ:きらめき #295

きらめきを忘れられない。
ライバルでありながら、
かっこいいと思ってしまった。
悔しい。
あの子にはできて私には、
なんであのきらめきがないの?
それは嫉妬に近い感情。
こんな醜い私だから?
あの子のようにきらめきがないのは、
私のせい?


♡3700ありがとうございます!

9/3/2023, 12:29:45 PM

テーマ:些細なことでも #294

「些細なことでも〜気付ける人かなぁ〜」
有紗は言った。
クラスで恋バナの話になったとき、
クラスのグループリーダー有紗が言った。
有紗はいじめっ子。
クラスの中心にいるタイプの女子だ。
私が本を読んでいるのに気を使えない。
自分は理想が大きいくせに、
自分は相手の理想に気がつけないタイプなのだろう。
でも理不尽にもこういう人がモテてしまって、
私みたいな人はモテない。
別にモテなくてもいいけどね。
相手に合わせるの得意じゃないし。
そう思いながら開いていた恋愛小説を閉じた。

9/2/2023, 1:49:01 PM

テーマ:心の灯火 #293

心の灯火を。
自分と一緒に演奏しているチームメイトと。
自分自身を成長させるため。
彼らとの演奏をここで終わらせたくないから。
二度目の夏の大会は自分にとって最後の大会だから。
彼らと一緒にできる最後の大会。
この演奏と全く同じ演奏はもう二度とできない。
それなら心の灯火を燃やし
一度きりしかないこの演奏にすべてを乗せる。
思い出と努力を奏でるこの音で。

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